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司法改革コーナー
〜模擬「裁判員」裁判開かれる〜
 司法制度改革審議会最終意見書では、国民の司法参加として、刑事裁判に「裁判員制度」を導入することが提案され、その具体的な制度設計が検討されています。

 そこで京都弁護士会では、初めて導入されるこの制度の具体的イメージを持つため、昨年11月17日に立命館大学旧陪審法廷で、実験的に模擬裁判員裁判を行い、その模様はKBS京都の司法改革
特番第4弾でもダイジェスト放映されました。a

 起訴された事件は、被告人が、クリスマスイブの夜、被害者から交際を断られたため、殺意をもってバタフライナイフで刺殺したという殺人事件で、被告人は無罪を主張しています。 

                  

<裁判員の選び方・配役>

 模擬裁判では、(1)8人構成裁判体(裁判官2人・裁判員6人)と(2)5人構成裁判体(裁判官3人・裁判員2人)を構成しました。そして今回は、このうち裁判員の8人は、知り合いの会社等に頼んで社員の方に参加してもらったり近所の人にお願いするなど、できるだけ普通の市民の方にお願いしました。これは、えてして市民参加に消極的な立場から「公募形式だと意欲のある人ばかりが集まるのではないか?」「普通の市民の集まりではないのでは?」という疑問の声が従来あったためです。

 結果的に裁判員には学生、人材派遣会社社員、和・洋品販売店経営、タクシ−会社社員、不動産会社社員、主婦、無職など様々な方に参加していただきました。

 他の配役には、京都弁護士会会員が裁判官や検察官・弁護人役をつとめ、また裁判官役として大津地方裁判所の安原浩裁判官に現職裁判官として練習段階から参加・協力をいただきました。さらに被告人や証人役として、裁判フォ−ラム会員や劇団ケ−ビ−ズにも出演ご協力をいただきました。


<審理の模様>

 8人構成の裁判体が正面の法壇中央に裁判官2名・両脇に3人づつ着席し、5人構成の裁判体は傍聴席に座りました。そして安原裁判長の開廷宣言で審理が開始され、その後は迫真の演技で、法廷劇としては出色の出来でした。

 審理終了後の合議は、各裁判体が別々の部屋に分かれて評議を開始し、その模様もビデオ収録されほんの一部が番組中で紹介されました。

 8人グル−プは伊藤陪席裁判官が論点整理をして、安原裁判長が合議を進め、5人グル−プでは湖海裁判長がソフトなム−ドで論点を提示しながら議論を進めていきました。

 モニターで見た限りどちらのグル−プも、今までによく試みられた模擬「陪審」裁判と比べると、議論が活発にされるという感じではなくどうしても「裁判長の質問に裁判員が答える」という形で進みました。ただ、それでも8人グル−プの方が5人グループと比べると、裁判員間で意見が分かれた場合に裁判員同志で議論するという場面も結構ありました。


<判決>
 今回は、有罪判決になるためには4分の3以上の一致が必要で、8人グル−プの場合は6人以上・5人グル−プの場合は4人の一致によるという設定にしました。
 そして約2時間弱の合議の結果、8人グル−プでは有罪3人(陪席裁判官1名、裁判員2名)・無罪が残り5人、5人グル−プでは有罪1人(陪席裁判官)・無罪4人でした。その結果、陪審制度のような評決不能制度はとらなかったので、両グル−プとも有罪に必要な票がとれなかったということで、法廷で両裁判体とも無罪判決を言い渡すことになりました。 

  今回の実験では、(1)供述調書や書証をどう扱うかという訴訟手続上の問題や、(2)裁判官による説示はどうするか、(3)裁判官と裁判員の数は何人対何人が適当か、(4)判決成立のための票数はどうするのか等、様々な検討課題が残ることも再認識されました。

 また、裁判員の皆さんは感想として大変な重責であると述べておられましたが、それは当然のことで、それを担うべきだというのが今回の審議会意見書の結論でした。

 しかし、議論の内容は、裁判員各自が自己の経験に照らして証人の信用性等について意見を交わしており、多角的な検討がされたことは確かでした。また、審議会のいう国民の多様な意見を反映させるには、裁判員の数は6人程度は必要であることが実感されました。              

                                           以上
                     (法曹一元・司法改革推進本部事務局長 山ア浩一)
             (弁護士会報261号記事より転載・短縮編集/同事務局次長 小原健司)

                  

                  

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