妻と娘と赤ちゃんと僕
1 「目に入れても痛くない」
弁護士会のブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。畑中法律事務所の柴田一輝(しばたいっき)と申します。
私には、現在、4歳になる娘がいます。よく「目に入れても痛くない」と表現されますが、どうやら、それは本当のようです。
私は、大学卒業後、一度はサラリーマンとして働き、その後に、法科大学院に進学し弁護士を志しました。大学院修了後、1回目の司法試験に失敗し、その後は仕事・子育て・勉強に奮闘しました。
妻も共に働いていたため、保育園の送り迎え、夕食の準備、娘の入浴、寝かしつけ等を、2人で分担し、私は娘を寝かしつけた後に司法試験の勉強をするという、今、思い出しただけでも吐き気がするような多忙な生活を過ごしていました。
合格するかも分からないし、かと言って、仕事を辞めて勉強に専念するという選択肢はありませんでしたので、あの時期は本当に暗闇の中を手探りで走っているような不安な日々を送っていました。
もっとも、私にとって、娘はその暗闇を照らす唯一の光でした。深夜に、勉強しているときに眠気と不安でめげそうになったら、机に置いてある娘の写真を見て、いつも気を立て直したものです。
私が働きながらも運良く合格できたのは娘がいたからに他なりません。娘がいなければ、仮に仕事をせずに勉強に専念していたとしても合格できなかっただろうと思います。
そういうわけで、私にとって、娘は「目に入れても痛くない」存在なのです。
2 「パパ、抱っこ」
私の妻は土曜日に仕事の日が多く、土曜日は娘を連れて2人でよく遊びに行っています。私の娘は1歳の頃から抱っこされるのが大好きで、言葉を話せるようになってからの口癖は「パパ、抱っこ」でした。
1歳、2歳、3歳になるに連れて、当然、娘の体重は重くなります。真夏に、ベビーカーなしで公園から娘を抱っこして帰るのは地獄のような所業です。
しかし、最近では、あまり「パパ、抱っこ」とは言わなくなり、なんだか嬉しいような、寂しいような気分になるので、人間は勝手な生き物です。
そんな中、もうすぐ私たち夫婦にも第2子が産まれる予定です。先日、出産間近の妻が娘を連れて里帰りしたのですが、その直前の休日に、娘が最近では珍しく「パパ、抱っこ」と言ってきました。
私は、内心では喜びながらも「えー」とか言いつつ、娘を抱っこしました。そうしたところ、4歳の娘の重さを実感し、「あの赤ん坊がこんなに成長して・・・」と、司法試験受験時代の娘との想い出が蘇り、ぐっとこみ上げるものがありました。
そんなわけで、今の私は、毎晩、一人、寂しく晩酌をしながら、妻と娘ともうすぐ産まれてくる赤ちゃんの帰りを心待ちにしているのです。
きっと「両目」に入れても痛くないのだろうな、などと考えながら・・・