ミコノスの思い出


皆さんこんにちは。弁護士の秋重実(あきしげ  まこと)と申します。

このブログは京都の若手弁護士が執筆させていただくということで、若手の中ではベテランクラスの私にもようやくお声がかかったという次第です。

さて、その昔、祇園にミコノスというお店がありまして、クラブというかサロンというか、説明が難しい夜のお店なのですが、私も一時期よく足を運んでいました。

お客はほとんどが同業者、つまり弁護士で、先輩の弁護士もたくさんいるので、ふだんなかなか聞けない本音の話を伺うことのできる、貴重な勉強の場でもありました。

ある年の暮れ、私はミコノスで働いていた女性とクリスマス・イブにお店の外で会う約束をすることができました。彼女はルイ・ヴィトンのバッグが欲しいというので快く買ってあげました。年が明けたら彼女は店を辞めていました。辞めることが分かっていれば、もっといいものを買ってあげたのにと、後悔しました。後日先輩弁護士から、「君それは騙されたんと違うか?」と言われました。私はそれを聞いて、心が汚れた先輩だなと思いました。

そんな世代を越えた交流の場であったミコノスも、ママの死とともに終わりを迎えました。ミコノスに代わるようなお店は今はありません。今でもたまに、祇園四条の辺りを歩いていて、ふと頭を上げると、ミコノスのことを思い出します。

秋重  実(2019年2月5日記)


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