「憲法第96条の発議要件緩和に反対する会長声明」(2013年7月25日)

  憲法第96条は憲法改正の手続を定めているが、近時、その発議要件を衆参両議院の総議員の「3分の2以上」の賛成から「過半数の賛成」に緩和する提案が複数の政党などからなされている。
  憲法は、国民に保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利であると定め(憲法第11条、第97条)、憲法の最高法規性を宣言している(憲法第98条)。また、憲法は、基本的人権を守るために、国家権力に縛りをかけて権力の濫用を防止するという近代立憲主義に立脚した国の基本法である。このような憲法の性格に鑑み、憲法第96条は、憲法改正について慎重かつ十分な議論が尽くされることを求め、法律制定よりも厳しい改正要件を定めている(硬性憲法)。
  憲法改正の発議要件を衆参両議院の総議員の「過半数の賛成」に緩和すると、衆参両議院において過半数の議員を有している政権与党が容易に憲法改正を発議できるようになって、基本的人権の保障が形骸化されるおそれが生じ、立憲主義の趣旨に反する。また、国の基本法である憲法の安定性が損なわれ、硬性憲法の趣旨を没却することになる。
  よって当会は、憲法第96条の発議要件を衆参両議院の総議員の「過半数の賛成」に緩和することに強く反対するものである。

2013年(平成25年)7月25日

京  都  弁  護  士  会

会長  藤  井  正  大




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