声明

「新型コロナウイルスに関連する差別や誹謗中傷を許さず、差別のない社会を実現するために全力を尽くすことを決意する会長声明」(2020年7月21日)


今年に入って、日本でも新型コロナウイルスの感染が広がり、4月7日に7都府県で緊急事態宣言がなされ、4月16日には、同宣言の適用範囲とされる区域が京都府を含む全国に拡張されました。緊急事態宣言は、5月14日に39県で、5月21日に京都府、大阪府、兵庫県の3府県で、そして5月25日に残り5つの都道県で解除されましたが、いまだに終息を見通すことができません。それどころか、7月に入って東京都で連日200人を超える感染者が判明したり、京都府でも6月25日以降、連日感染者が判明したりするなど、感染が拡大する状況にあります。第2波の到来も予想されており、今後も引き続き感染拡大防止のために細心の注意を払わなければなりません。

京都府ではこれまで500名を超える感染者が判明し、医療施設や介護施設ではクラスターも発生しました。医療施設や介護施設では、業務の特性上、患者や利用者との接触を避けることは非常に困難です。これらの施設で働く方々は感染リスクの恐怖と闘いながら、懸命に仕事を続けてこられ、医療崩壊、介護崩壊を防いでおられます。当会としても、私たち京都府民の命や健康を守るために奮闘しておられる医療従事者、介護従事者の皆様に、心からの御礼を申し上げるものです。

また、新型コロナウイルスに感染してしまわれた皆様におかれては、その症状が重篤化しないこと及び一日も早く快復に向かわれることを心より祈念しております。

ところで、報道によると、京都府内においても、新型コロナウイルス感染者やその家族等関係者、あるいは医療従事者に対する差別的言動や誹謗中傷があるようです。感染者の名前を書いた紙を住宅の壁に貼り付ける、店の利用を拒否される、挙げ句の果てに「人殺し」「火を付けるぞ」という犯罪的言辞を含む電話まであったとのことです。しかしながら、感染したこと自体を非難するような考えには全く合理的根拠がなく、不当な偏見であると言わざるを得ません。また、感染が判明して適切な対応・措置を受けている方々が、さらに将来にわたり感染を広げる可能性が高いというような言動にも全く合理的な理由がありません。したがって、上記のような感染者に対する差別的言動や誹謗中傷は、不合理極まりない不当行為と言わざるを得ません。また、医療従事者に対する差別的言動や誹謗中傷に至っては、むしろ感染拡大を防ぐために市民のために日夜奮闘いただいている医療従事者を、不当極まりない偏見によって深く傷つけるものであり、医療従事者の日常生活や業務を阻害し、ひいては医療崩壊や、感染の拡大を助長することにもつながりかねない行為であり、もってのほかと言わなければなりません。

当会は、京都府の委託を受けて、差別を含む人権問題の法律相談を実施していますが、今後も様々な機会を通じて差別のない社会を実現するために全力を尽くすことを決意します。

2020年(令和2年)7月21日

京  都  弁  護  士  会

会長  日 下 部  和  弘


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