乗り越える勇気


京都弁護士会ブログをご覧の皆様はじめまして。72期の森山孝彰と申します。
京都で弁護士としての一歩を踏み出して半年が過ぎました。この世界に入ってからは様々な経験を積みつつ、日々勉強する毎日です。

弁護士という仕事は、知識以外にも様々な能力が必要な仕事でありますが、その中でも「勇気」は非常に重要な要素だと思います。
法律の専門家といえども、あらゆる全ての事案に瞬時に答えが出せるわけではなく、未知の問題はいつでも目の前にあります。そのため、弁護士としての経験を培うには、未知の問題への恐怖に立ち向かえる勇気を持っていることが大事であると感じています。

人は年齢を重ねていくにつれ仕事や生活が安定し、徐々に大きな挑戦をしないようになるといいますが、学生時代には色々と無謀な挑戦をしたものです。

昔、格安航空券を使ってオーストラリアに旅行していた私は、メルボルンに数日間滞在することになり街並みを散策していました。東京やニューヨークのような大都市とは異なり、シドニーやメルボルン等の都市は中心街から外れるとすぐに住宅街や田園風景が広がり、電車もそれほど網羅されていないため、徒歩での観光には限界がありました。そこで、レンタカーを使いたいと考えました。
このために、国際運転免許証を念のために用意していましたが、運転免許を取得してから数年運転をしたことが無いペーパードライバーのうえに、ましてや、いきなり海外の道路を運転するなんて、とても恐ろしいことでした。
簡易宿泊所でスマートフォンを操作しながら翌日のレンタカーを予約しようとするも、「ちゃんと運転できるのだろうか」「事故してしまったら無事に日本に帰れるのだろうか」などの思いが、頭の中を何回も駆け巡らせましたが、一生に一度の時間を無駄にはできないと思い、思い切りの勇気を出して予約ボタンを押しました。
翌日、私は、レンタカー会社の英語による説明を半分程度しか理解できない状態で、セダンの車に乗りこみ、ゆっくりと車道へ出ていきました。
しばらく走らせると、私の心配は杞憂であったことがわかりました。オーストラリアの道は車線の幅がとても広く、車間距離に非常に余裕があり、とても他の車に接触する心配がありませんでした。
私はそのままメルボルンを出て南へ向かい、ジーロングという街を通過し、メルボルンから100km以上先にあるGreat Ocean Roadという海岸線道路に入りました。

そこでの風景は、南極側の海岸からくる青波と美しい砂浜が、山々の自然と調和し、非常に美しい景色だったことを今でも覚えています。

なお、日も暮れてきたので200km離れたメルボルンへの帰路につこうとしたところ、レンタルしたカーナビが壊れ、スマートフォンの電波が繋がらなくなり、地図が無い状態で森林の中を遭難しかけて、方角だけを頼りにメルボルンへ何とか帰ったことも良い思い出です。
この時から私はドライブが好きになり、海外旅行先で格好良い車を借りて、運転しながら風景を眺めることが楽しみの1つとなりました。

弁護士の仕事上、あらゆる場面で勇気が試されます。その勇気を乗り越えて依頼人のために最高の仕事が出来てこそ、自らの弁護士としての成長を実感します。
人生のどのような場面においても、勇気を出して一歩を踏み出せば、あの時のような美しい景色に再び出会えるものと信じています。

このブログを見ている方も、何か迷っていることがあるのであれば、その先にある美しい景気を見るために、思い切って勇気を出してみて下さい。
もし助力が必要であれば、ぜひ我々弁護士に相談して下さい。ご覧頂きありがとうございました。


森山  孝彰(2020年8月20日記)



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