意見書

次期京都市消費生活基本計画についての意見書(2021年3月25日)


2021年(令和3年)3月25日

京都市消費生活審議会
会長  佐 久 間    毅  殿


京都弁護士会          

会長  日 下 部  和  弘
  


次期京都市消費生活基本計画についての意見書



第1  はじめに
現在、京都市消費生活審議会において、次期京都市消費生活基本計画(以下「基本計画」という。)の作成についての審議がなされている。
基本計画の構成(骨子案)では、消費者の権利の尊重(基本方針1)、消費者被害の救済(基本方針2)、消費者教育の推進(基本方針3)、消費者の自立支援(基本方針4)という4つの基本方針につき、それぞれ施策目標と個別施策が掲げられている。また基本計画の重点取組として、消費者安全確保地域協議会の設置及びエシカル消費* の普及促進が掲げられている。
当会は基本計画につき、下記のとおり意見を述べる。

第2  意見の趣旨
1  基本方針1の消費者の権利の尊重について、その施策目標または個別施策として下記の各施策を掲げるべきである。
(1)消費者被害の発生件数や傾向などについて分析を加え、消費者に分かりやすい形で的確に情報提供を行うこと。
(2)京都市消費生活審議会の資料及び議事録等、消費者行政上の検討経過についても迅速に公表し、消費者に対する情報提供を行うこと。
2  基本方針2の消費者被害の救済について、その施策目標または個別施策として下記の各施策を掲げるべきである。
(1)特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)の改正等に対応して、以下のとおり、京都市消費生活条例及び同施行規則の見直しを行うこと。
ア  アポイントメントセールスの来訪要請手段にいわゆるSNSのメッセージ機能等が含まれていることを明確にすること。
イ  過量販売規制について電話勧誘販売にも適用があることを明確にすること。
(2)2016年(平成28年)及び2018年(平成30年)の消費者契約法の改正に対応して、京都市消費生活条例及び同施行規則の見直しを行うこと。
(3)いわゆる「お試し商法」が特定商取引法の改正により規制されることに対応して、京都市消費生活条例、同施行規則の見直しを適宜行うこと。
(4)国の交付金の減額等も視野に入れつつ予算を確保し、必要な人員など今後も十分な相談体制を確保し続けること。
3  基本方針2の消費者被害の救済に加えて、消費者被害の予防を掲げ、その施策目標または個別施策として下記の各施策を掲げるべきである。
(1)特定商取引法の改正等に対応して、以下のとおり、京都市消費生活条例及び同施行規則の見直しを行うこと。
ア  承諾のない消費者に対するファクシミリ広告を禁止すること。
イ  訪問購入に関する不招請勧誘を禁止すること。
ウ  承諾のない電子メール広告を禁止すること。
(2)訪問勧誘について、消費者が玄関やマンションの入り口等に「セールスお断り」又は「訪問販売お断り」のステッカー(いわゆる訪問販売お断りステッカー)を貼付することが、京都市消費生活条例上の勧誘を拒絶する旨の意思表示に該当することを、条例上明らかにすること。
(3)電話勧誘について、電話勧誘を断る旨の自動応答装置による応答が、京都市消費生活条例上の勧誘を拒絶する旨の意思表示に該当することを、条例上明らかにすること。
(4)訪問販売お断りステッカーや電話勧誘を断る旨の自動応答装置の条例上の位置づけがなされても状況が改善されない場合には、消費者の承諾がなければ勧誘してはならないというオプトイン型の不招請勧誘の禁止を導入すること。
(5)京都市は、行政処分の執行のために十分な体制の確保及び強化を図り、厳格な執行を積極的に行っていくこと。
4  基本方針3の消費者教育の推進について、その施策目標または個別施策として下記の各施策を掲げるべきである。
(1)消費者被害防止の観点も含めて消費者教育を充実させること。
(2)消費者教育の担い手について、家庭、地域、学校、事業者、消費者団体等の役割を明確化して、統括的な立場から各自の取組みを支援すること。
5  基本方針4の消費者の自立支援について、その施策目標または個別施策として下記の各施策を掲げるべきである。
(1)高度情報社会において消費者被害を抑制するため、情報を正しく取得し、利用・活用する能力を育てる必要があること。
(2)環境問題、貧困問題等への理解の充実を図り、問題の解決策として消費行動の重要性を伝えること。
(3)適格消費者団体との連携・支援を強化する体制を構築すること。
6  重点取組の消費者安全確保地域協議会の設置について賛同する。ただし、形だけの会議体を設置するだけではなく、クローズドなプラットフォームの構築などIT技術の活用も盛り込んだ上で、実際に見守りに携わっている方々が消費者被害を消費生活センターへつなぐことができる実効的な体制等の構築を掲げるべきである。
7  基本計画の策定にあたっては達成目標を明らかにし、達成度合いを計測できるようにKPI(重要業績評価指標)等の指標を示すべきである。

第3  意見の理由
1  意見の趣旨1について
(1)意見の趣旨1(1)について
消費者被害の予防・救済の観点からも、また、消費者教育の観点からも、行政からの積極的な情報発信が重要となる。現在においても、京都市消費生活総合センターは、ウェブサイト等において、様々な消費者被害について注意喚起などを行っている。しかし、消費者が安全に安心して暮らせる社会の実現のためには、消費者相談情報を蓄積した上で、その発生件数や傾向などについての統計・分析を示すなど、より消費者に分かりやすい形で情報提供を行っていくことが求められる。
(2)同(2)について
京都市消費生活審議会の議事録など、消費者施策に関する検討経過についても速やかに市民に公表されるべきことは当然であるが、現在のところ十分に実施されている状況とは言いがたい。このような消費者施策に関する行政からの情報発信の充実についても計画の中で明確に位置づけて実施されていくべきものである。
2  意見の趣旨2について
(1)意見の趣旨2(1)について
特定商取引法は、2016年(平成28年)に、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(平成28年法律第60号)によって改正され、これは2017年(平成29年)12月1日から施行されている。
この改正により、アポイントメントセールスの来訪要請手段の追加(同法2条1項2号、同法施行規則11条の2)、指定権利制を廃して特定権利制に改めることによる同法の規制対象の拡大(同法2条4項)、取消権の行使期間の伸長(同法9条の3第4項、24条の3第2項等)、承諾のない消費者に対するファクシミリ広告の禁止(同法12条の5第1項)、電話勧誘販売における過量販売規制の導入(同法24条の2)等が規定された。
特定商取引法と京都市消費生活条例及び同施行規則とを比較した場合、アポイントメントセールスの来訪要請手段にいわゆるSNSのメッセージ機能等が含まれていることや過量販売規制が電話勧誘販売にも及びことは明確とはいえない。
改正特定商取引法が施行されてからすでに3年が経過しているが、京都市消費生活条例及び同施行規則の改正は未だに行われていない。そこで、京都市においては、特定商取引法の改正の趣旨を踏まえて早急な見直しを行うべきである。
(2)同(2)について
消費者契約法は、2016年(平成28年)に、消費者契約法の一部を改正する法律(平成28年法律第61号)によって改正され、2017年(平成29年)6月3日から施行されている。同法は、2018年(平成30年)に、消費者契約法の一部を改正する法律(平成30年法律第54号)によってさらに改正され、2019年(令和元年)6月15日から施行された。
これら改正により、以下の条項が新設された。
・意思表示の取消事由としては、過量な内容の契約(同法4条4項)
・社会生活上の経験不足を不当に利用して不安をあおる告知によって意思表示をさせた場合(同法4条3項3号)
・社会生活上の経験不足を不当に利用して恋愛感情等に乗じ、人間関係を濫用して意思表示をさせた場合(同4号)
・加齢等による判断力の低下を不当に利用して意思表示をさせた場合(同5号)
・霊感等による知見を用いて不安をあおる告知によって意思表示をさせた場合(同6号)
・事業者が契約締結前に債務の内容を実施する等して意思表示をさせた場合(同7号及び8号)
また、不利益事実の不告知については、事業者が重要事項について消費者の不利益となる事実を故意に告げなかった場合のほか、重過失により告げなかった場合も含まれることとなった(同法4条2項)。
契約条項の無効原因には、消費者の解除権を放棄させ又は事業者に解除権の有無を決定できる権限を付与する条項(同法8条の2)、事業者に責任の有無を決定する権限を付与する条項(同法8条1号)、消費者が後見開始等の審判を受けたことのみを理由とする解除条項(同法8条の3)が規定された。
法改正が立て続けに行われたが、その後に本条例の見直しはなされていないため、消費者契約法に違反する勧誘及び契約条項を用いている事業者に対し、京都市が消費者契約法違反を理由に行政的措置をすることはできず、監督的役割を果たせないこととなり妥当ではない。
したがって、本条例は改正された消費者契約法の規範に合うように早期に見直すべきである。
(3)同(3)について
近時、「初回無料」などと謳って1回のみの商品の購入が可能であるかのように表示し、実際には定期購入であるとして、解約を認めず、高額な代金を請求する、いわゆる「お試し商法」による被害が近年増加し、問題となった* 。
この問題につき、消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」でも議論された結果、その報告書において「お試し商法」は「詐欺的な定期購入商法」と位置付けられ、「特定商取引法における顧客の意に反して通信販売に係る契約の申込みをさせようとする行為等に関する規制を強化すべき」、「意に反して申込みを行わせる悪質事業者を念頭に、解約・解除を不当に妨害するような行為を禁止するとともに、解約権等の民事ルールを創設する必要がある」などとされた* 。
これを受け、消費者庁は、特定商取引法を改正して、購入画面に定期購入の記載を義務づけ、これを記載しなかったり、まぎらわしい表示をしたりした場合に刑事罰を科すことや消費者が契約を取り消し、かつ返金を求めることができるようにし、電話を受け付けないなど解約を妨害する行為を禁止することなどを予定している。
そこで、京都市においても、「お試し商法」について、定期購入であるにもかかわらず、そうでないかのような表示をすることを禁止することや、合理的な理由がないにもかかわらず、解約方法を電話など特定の方法に限る場合が解除妨害にあたることを明記するなど、国の動きに合わせて京都市消費生活条例及び同施行規則の見直しを適宜行う必要がある。
(4)同(4)について
消費者行政については、国による地方消費者行政強化交付金が大きな財源となっているが、その額は年々減少傾向にある。しかし、それによって消費生活相談窓口等の相談体制が弱体化するなどということがあってはならない。
とりわけ消費生活相談員等の人員の充実が重要である。そのために自主財源を含めて必要な予算が確保され、今以上の相談体制が継続的に確保されていかなければならない。
3  意見の趣旨3について
基本計画は、基本方針2として消費者被害の救済のみを掲げるが、消費者被害の予防も重要であり、基本方針に追加すべきである。
2019年度(令和元年度)の京都市の消費生活相談件数は9520件と、この10年間で最多の相談件数となり、若年層からの相談も増加している。また、消費生活行政の現状として「ぜい弱な消費者の増加など消費者の多様化」が記載されているが、高齢化の進行や成年年齢の引き下げ等により、消費者が悪質商法被害に遭うおそれは高く、悪質商法被害に遭ってしまえば、事業者から返金を受ける等の救済は困難となる傾向がある。そのため最良の被害対応は被害予防・拡大防止にあり、基本方針に掲げられるべきである。
(1)意見の趣旨3(1)について
消費者被害の予防のためには、消費者の承諾のない勧誘を規制する必要がある。そのため、特定商取引法では、承諾のない消費者に対するファクシミリ広告や承諾のない電子メール広告が禁止され、訪問購入に関する不招請勧誘が禁止されている。
しかし、京都市消費生活条例及び同施行規則では、これらの規制は定められていない。そこで、京都市においては、早急に京都市消費生活条例及び同施行規則の見直しを行うべきである。
(2)同(2)について
2019年度(令和元年度)の京都市の消費生活相談件数のうち訪問販売によるものは638件と、前年度の543件より増加した。
京都市は2011年(平成23年)の基本計画で、取引行為に関する制度の検討として、不招請勧誘に関する対応が検討課題となり、2011年度(平成23年度)・2012年度(平成24年度)の重点課題となった。2012年度(平成24年度)には、市民アンケート調査、訪問販売お断りステッカーの全戸配布、条例施行規則の改正がなされた。他方、配布された訪問販売お断りステッカーについての条例上の位置づけは明確にされていない。
京都市消費生活条例施行規則別表(第2条関係)(1)ヒは「拒絶後の勧誘(消費者が契約の締結の勧誘を受けず、又は契約を締結しない旨の意思表示をしているにもかかわらず、当該契約の締結の勧誘を行うことをいう。)」を不適切な取引行為としており、訪問販売お断りステッカーを貼付することは、まさに消費者が契約の締結の勧誘を受けず、又は契約を締結しない旨の意思表示を行う行為である。勧誘を受ける消費者にとっては、勧誘を受けること自体が迷惑なのであり、勧誘を受ける機会を排除するためには訪問販売お断りステッカーを貼付することが簡便で有効である。なお、京都府は消費生活安全条例の事例集で「訪問販売お断り」と門扉に掲示しているにもかかわらず訪問販売の業者が訪ねることを拒絶後の勧誘にあたるとしている。
したがって、京都市においても訪問販売お断りステッカーの貼付を勧誘の拒絶の意思表示にあたることを条例上明確にすべきである。
(3)同(3)について
2019年度(令和元年度)の京都市の消費生活相談件数のうち、電話勧誘販売によるものは415件と前年度の414件とほぼ同水準であった。
電話勧誘を断る旨の自動応答装置については、特殊詐欺や悪質商法被害の予防策として各地で導入され、京都においても京都府警が特殊詐欺の被害者への配布などを行ってきたところである。
他の自治体においては、大阪市や熊本市が、消費者が自動応答装置で勧誘を拒絶したにもかかわらず、事業者が勧誘を行うことにつき、不当な取引行為の指定等を行っている。
新型コロナウイルス禍がいつ終息するか分からない状況が続いている現状において、外出自粛や在宅ワークの積極的導入により、自宅で過ごす人の割合は増えているところ、消費者が望んでいない電話勧誘販売による消費者被害を防ぐ必要性は、以前よりも格段に高まっており、京都市消費生活条例においても、「セールス電話を断っている」旨の自動応答装置による応答が、「拒絶」の意思表示に該当することを明らかにすべきである。
(4)同(4)について
上記のとおり訪問販売お断りステッカーや電話勧誘を断る旨の自動応答装置の条例上の位置づけがなされたとして、それらによっても事業者による訪問勧誘や電話勧誘の状況が改善されない場合には、勧誘拒絶の意思表示を行ってもなお事業者による勧誘を防止できないということであるから、訪問勧誘や電話勧誘を原則として禁止し、勧誘を承諾した消費者に対してのみ訪問勧誘や電話勧誘ができるオプトイン型の不招請勧誘規制の導入も検討されるべきである。
(5)同(5)について
消費者被害の予防の観点からは、条例等が整備された上で、法又は条例に基づく行政処分の執行が厳格かつ積極的に行われることが重要となる。そのために、十分な体制の確保及び強化を図ることが必要であり、計画上にもそのことを明らかにしておくべきである。
4  意見の趣旨4について
(1)意見の趣旨4(1)について
消費者教育は消費生活に関する教育であり、対象範囲は極めて広範である。施策に費やすことができる時間、人員などは有限である以上、消費者教育の対象とする範囲を明確に区分して、どの分野に注力するかを検討しなければならない。
消費者が主体的に消費行動を選択する「自立した消費者像」の実現及び消費が社会に与える影響を考えながら自らの消費行動を選択できる「消費者市民」の実現も重要であるが、昨今の情報社会の進展、スマートフォンの爆発的普及、オンラインプラットフォームの巨大化及び成年年齢引き下げといった社会情勢からすれば、今後消費者被害はますます拡大していく可能性がある。その中で、改めて消費者被害防止のための教育、特に学校における消費者教育の充実が検討されるべきである。
(2)同(2)について
消費者教育は、家庭、地域、学校、事業者、消費者団体など、さまざまな担い手が存在する。若年者の消費者被害防止の点では、特に学校における教育が重要であり、また継続的、長期的な消費行動の変革という点では、家庭や地域における教育が重要な位置づけとなる。家庭での教育を充実させるためには、保護者に対する教育も積極的に取り組まなければならない。
そして、消費市場においては、事業者側と消費者側とが相互に意見を交換することによって健全な市場が形成されるものである。ゆえに、消費者教育の担い手においても、事業者側、消費者側の偏りが生じないよう、双方のバランスに配慮する必要がある。
このように、消費者教育においては、様々な担い手が存在し、それぞれに異なる重要性を有している。京都市においては、地域や年齢によって消費者教育の内容や担い手に偏りが生じないよう、教育の担い手について統括的な立場からバランスを取りながら、これを継続的に支援する施策が求められる。
5  意見の趣旨5について
(1)意見の趣旨5(1)について
昨今では、情報社会が高度に進展し、オンラインプラットフォームが巨大化するなど社会が便利になる一方、スマートフォンの爆発的普及、成年年齢の引き下げといった事情により、ネットリテラシーが十分に獲得できていない消費者が、簡単に市場において取引をすることができるようになり、これに伴ってゲーム課金やインターネット通販、情報商材詐欺等の被害事案が拡大している。
今後、ますます情報社会が進展していく中で、まずは消費者被害を拡大させないことが求められる。そのため、特に学校教育においては、インターネットを通じて取引をするために必要な情報を正しく取得し、これをうまく利用・活用して正しい判断をするための教育を充実させることが必要である。
(2)同(2)について
環境に配慮した消費行動、貧困問題の解決に繋がるエシカル消費などについては、消費行動を変えていくためには、消費者教育は非常に重要な位置づけを有する。もっとも、一方で環境問題、貧困問題については、その重要性にもかかわらず、直ちに消費行動を変えることは困難であり、継続的な施策が求められる。
そこで、環境問題、貧困問題については、特に学校教育について、当該問題に積極的に取り組む団体による教育の機会を充実させ、学生の問題意識や興味を喚起する必要がある。その上で、消費が社会を変えられるということについて、家庭や社会を通じて継続的かつ長期的に教育を行っていくべきである。
(3)同(3)について
適格消費者団体は、消費者の被害予防・救済のために、情報提供の募集、消費者庁等に対する意見書の提出、啓発活動、訴訟提起等、様々なことを積極的に行っている。
京都市は、消費者被害の内容が複雑・多様化をしている状況下において、市民からの相談に迅速かつ的確に対応するためには、上記のような消費者被害の予防・救済のために幅広い活動を行っている適格消費者団体と連携して、相互の情報共有、啓発活動等を行っていくことが必要不可欠である。
また、市民の被害予防・救済のために適格消費者団体がより積極的な活動ができるようにするためには京都市からの支援が必要である。
したがって、京都市は、適格消費者団体との連携・支援を強化する体制を早急に構築すべきである。
6  意見の趣旨6について
高齢者や障がい者を消費者被害から守るためには、実際に地域の中でこれらの消費者を見守る福祉関係者や医療関係者、警察や消費者団体、民間事業者等の多様な担い手の気付きから、消費生活センターにつなぐこと重要である。
このため、2014年(平成26年)6月の消費者安全法の改正により、地方公共団体及び地域の関係者が連携して見守り活動を行う「消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)」を設置できることが規定されたが、現時点で、京都府下に設置された消費者安全確保地域協議会はわずかに2つに留まっており、京都市では未設置となっている。
このような状況下において、消費者安全確保地域協議会の設置を重点取組として計画に盛り込むことについては、大いに賛同する。
もっとも、形式的に会議体を設置するのみでは、担い手の負担が増大するのみであり、その意義は全く失われてしまう。
消費者安全確保地域協議会を見守りネットワークとして実効的に機能させていくためには、人材の教育や、クローズドなプラットフォームの構築などIT技術を活用した連携のためのインフラの整備が不可欠である。
基本計画においても、このような実際に見守りに携わっている方々が消費者被害を消費生活センターへつなぐことができる実効的な体制の整備を明確にした上で、施策に取り組まれることが必要となる。
7  意見の趣旨7について
基本計画を改定するにあたっては、その内容が絵に描いた餅とならぬよう、改定後の目標について達成状況を把握し、当初想定された方向に向かっていなければ適時修正をしていかなければならない。
そのためには、個別施策ごとにKPI(重要業績評価指標)等の指標を定めることが必要不可欠となる。
以 上


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