こけぐらし


  こち弁ブログをご覧のみなさま、はじめまして。弁護士の西脇調と申します。
  テーマが決まっていないブログ、ということで散々悩みましたが、最近私の中でブームになっている「苔」について書こうと思います。

  「苔」と聞くと、多くの人は、ジメジメとした暗い場所を思い浮かべるかもしれません。苔にとって適度な水分は非常に大切ですし、現にそのような場所には苔が生えていることが多いでしょうから、そのような光景を思い浮かべるのは至極当たり前のことともいえます。しかし、苔は光合成をします。つまり、日光が必要なのです。また、苔の多くは、明るすぎるのも、暗すぎるのも苦手だそうです。根っこがなかったり、死んだふりをしたり。紅葉するもの、高さが30センチもあるもの。石に生えたり、木に生えたり、生き物に生えたり。苔は、日本だけでも約1800種類、世界では約18000種もの種類があるそうです。
  私が苔に興味をもったきっかけは、ナマケモノに苔が生えることを知ったことでした(ナマケモノについてもこれはこれで語ることの多いものではあるのですが、またの機会に…)。動物に生えて暮らすというその発想に驚きました。もっとも、苔のほうはその環境が暮らしやすかっただけかもしれませんが…。自分に適応する環境で自由に生きている。その様子が羨ましかったのかもしれません。
  苔は、様々な場所で暮らしているので、見かける機会も実はとても多いです。中でも、私が好きなのは、昔ながらの水路のまわりに群生している苔と、大木に生えている苔です。薄暗い水路に光が差し込むとき、水面が反射し、水しぶきをうけた苔が綺麗な緑色に光る光景はなんともいえない美しさがあります。また、大木の苔は、遠くからみたときに、大木の厳かさをより一層引き立てているような、そういう深い緑をみることができます。私の拙い文章で伝えきることは到底不可能な、奥ゆかしさが、苔の魅力のひとつだと思います。
  私たちの生活の中でみることのできる苔ももちろん素敵ですが、しっかりと手入れをされた苔はさらに美しい緑を見せてくれます。京都には、西芳寺というお寺があります。西芳寺は「苔寺」と呼ばれるほど、庭園の苔が有名なお寺です。また、大原にある三千院の境内の庭園も、苔が美しいことで知られています。他にも、京都にある多くの庭園では、美しい苔を楽しむことができます。
  是非、皆様も一度、「苔」を愉しんでみてはいかがでしょうか。

西脇調(平成26年7月11日記)


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