クレイマー、クレイマー


  はじめまして、宇治こはな法律事務所の弁護士永禮惇也と申します。
早速ですが、先日「今日は唐揚げ食べよう!」っていう日がありまして、近くの定食屋で唐揚げ定食を注文したところ、豚肉のポン酢漬けのようなものが出てきました。
どうやらそれは日替わり定食だったようですね。
今日は唐揚げ食べるぞって時に、オーダーミスが起きてしまったわけで、普通なら文句を言ってもいいと思うのですが、私はそのままその豚肉漬けをおいしくいただきました。
その理由は、私の器が大きいとかいうことではなくて、私に一定の責があると自覚していたことにあります。

  実は、私は滑舌が決していいとは言えなくて(悪くはない)、最近だとカフェで「宇治抹茶ラテ」を頼んで「ホットカフェラテ」が出てくるなど、店員の方の聞き間違いによるオーダーミスを挙げるとキリがありません。
大学時代にも、コンビニでおにぎりを購入し、「温めてください」と言ったところ、店員の方がタバコを持ってきたことがあります。
最も辛かったのが2年前の出来事なのですが、どうやら私の妹も滑舌がわるく、仲間内で「ほぼ日本語を喋れていない」などといじられているという話を耳にしました。
私はそれを聞いて妹を残念な目で見ていたのですが、ある日、雨の日に妹を当時のバイト先まで迎えに行くということがあり、ついでに妹の友人も送ることになったのです。その妹の友人と話すのは初めてだったので、似てる似てないなどのありがちなやり取りをした後に、ふと思いついた質問を妹の友達にぶつけました。
「俺と妹、どっちが滑舌わるい?」と、
すると、その友人は少し間をおいて遠慮がちにこう答えました。
「・・・すみません、今何て言ったんですか?」
私は完全に打ちひしがれて、その後はほぼ無言のタクシードライバーと化したわけですが、それ以来、冒頭のような注文と異なった物が出てくる場面では全て私に責任があるものとして何も言わないようにしています。

無理やりまとめさせていただくと、やたらとクレーマーなどと取りざたされる世の中なので、何か言うときには、一度本当の原因はどこにあるのかを冷静に考えてみるのもいいのではないかと思います。私自身、弁護士として主張の正当性に向き合いながら仕事をしなければいけないと日々感じております。
そうすると、冷静に考えてさすがに唐揚げ定食を注文して日替わり定食が出てくるのはおかしいんじゃないかなーなどと思ったりもしますが、まあ今回は置いておきます。
駄文を長々と失礼いたしました。それでは。

永禮惇也(平成28年7月25日記)


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