「2016年(平成28年)司法試験最終合格発表に関する会長声明」(2016年10月26日)


  2016年(平成28年)9月6日、本年の司法試験の最終合格者が1,583名となったことが発表された。当会は、新しく法曹の仲間に入ろうとする人を心から歓迎し、今後の司法修習を通じて法律実務家として大きく成長されることを期待する。
  司法が市民の権利義務や社会正義に大きく関わるものである以上、司法を担う法曹の質の向上は市民から望まれている。当会としても、司法修習実務の充実などにより、質の高い法曹養成に取り組んでいるところであり、今後もその努力を惜しむことはない。
  しかし、司法試験合格者数の急増が司法基盤整備を伴わないまま進行したことが、法曹の需要との乖離を増大させて司法修習後の就職難を招き、法曹志願者数の減少という事態まで引き起こしていることからすれば、司法試験合格者数については、より大幅な削減が図られるべきであった。そこで当会は、昨年5月の総会において、一昨年の司法試験合格者数が1,810名であったことを念頭に、司法試験合格者の大幅な削減を求める決議を採択した。しかるに、昨年の最終合格者は1,850名となり、一昨年より合格者が増加した。この影響は、司法試験合格後に修習を辞退する人の比率を上昇させたばかりか、一昨年の合格者数減少によって改善の兆しをみせようとしていた司法修習生の就職難の改善に冷や水を浴びせることとなり、法曹志願者の減少傾向をさらに悪化させた。昨年の合格者数の増加に問題があったことは明らかである。
  そのような中、本年の合格者数は1,583名とされたが、当会は、この流れに沿って削減が速やかに進むことを期待する。

      2016年(平成28年)10月26日

京  都  弁  護  士  会

会長  浜  垣  真  也

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