「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に対し改めて反対し、廃案を求める会長声明(2016年12月14日)


  「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下「カジノ解禁推進法案」という。)が、2016年(平成28年)12月2日に衆議院で可決され、参議院に送付された。
  カジノ解禁推進法案は、2013年(平成25年)12月に、国会に提出されたものの実質的な議論が行われないまま、2014年(平成26年)11月の衆議院解散に際し、一旦廃案となった。その後、2015年(平成27年)4月に再提出されたものの、1年半以上もの間、全く審議されずにいたところ、2016年(平成28年)11月29日に突如審議入りし、わずかな審議時間で衆議院を通過した。
  当会は、2014年(平成26年)9月25日に多重債務問題の再燃、ギャンブル依存症の拡大、青少年の健全育成への悪影響、暴力団やマネー・ローンダリング対策上の問題等を理由に、カジノ解禁推進法案の廃案を求める会長声明を公表しているところ、今回のカジノ解禁推進法案は、一度廃案になった法案と同様、これらの問題への解決策が何ら示されていないものであるから、今回の法案にも強く反対する。
  各種世論調査では、カジノ解禁に反対あるいは慎重との意見が賛成意見を圧倒する結果が示され、新聞各紙もカジノ解禁に疑問を呈する社説を掲げた。長期間にわたってカジノ解禁推進法案が審議入りしなかったのは、こうしたカジノ解禁に反対する世論が反映された結果である。ところが、このように国民の強い反対があるにもかかわらず、衆議院内閣委員会の審議時間は、わずか2日間、計約6時間にすぎないなど、十分な議論がなされたとは言い難い。
  このようにカジノ解禁推進法案は、国民の強い反対を押し切って、十分な議論がなされないままに成立しようとしている、内容にも成立過程にも重大な問題のある法案であると言わざるを得ない。
  よって、当会は、今回のカジノ解禁推進法案に改めて強く反対し、廃案とすることを求める。

      2016年(平成28年)12月14日


京  都  弁  護  士  会

会長  浜  垣  真  也



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