個人的感情とプロ意識
はじめまして。つくし法律事務所の弁護士の岡田康平と申します。
本ブログでは会員の趣味について書かれることが多いようなので,私も自分の趣味について書こうと思います。
私の趣味は旅行や釣りなど色々ありますが,最近,特に力を入れているのは野球観戦です。私は千葉ロッテマリーンズのファンであり,少なくとも年に1回(今年はおそらく2回)は千葉にあるマリーンズの本拠地に野球観戦に行きます。
京都にお住まいの皆さまの中にもプロ野球がお好きな方が多くいらっしゃるかと思いますが,京都でマリーンズファンを見つけ出すのは至難の業です。「なんでロッテなの?」という素朴な疑問にお答えしようとすると,本ブログが長編小説になりかねないので,省略させていただきます。
ファンですら胸を張って「どの球団よりも強いチームです!」と言えないマリーンズですが,マリーンズの選手及びファンにとって,今年は特に試練の年になると思います。理由はいくつかありますが,一番大きいのはマリーンズの主砲アルフレド・デスパイネ選手の移籍です。
昨年のチーム本塁打の約3割はデスパイネ選手が打ったものであり,強打者の少ないマリーンズにとって,デスパイネ選手は打線の要でした。また,デスパイネ選手は人一倍チーム愛が強く,キューバ代表チームで練習する際もマリーンズのユニフォームを着たり,自身の子供にもマリーンズのユニフォームを着せたりするほどマリーンズを愛していました。
ところが,デスパイネ選手は,大人の事情により,今年から福岡ソフトバンクホークスに移籍しました。ホークスといえばパ・リーグの中でも最も選手層の厚いチームであり,マリーンズがライバル視している(というか恐れている)チームです。デスパイネ選手は,強い選手が数多く在籍するホークスでも開幕当初から主力選手として活躍しています。私は「デスパイネ選手はマリーンズ戦では得点に繋がる安打(特に本塁打)を打つことを躊躇するのではないか」と複雑な心境でマリーンズ対ホークス戦を見守っていました。
しかし,マリーンズファンのもやもやした気持ちとは裏腹に,デスパイネ選手は対マリーンズ戦のうち4月18日の試合では3ランホームランを,同月19日の試合では適時打をそれぞれ放ち,ホークスの勝利に貢献しました。
私は,昨年まで在籍していたマリーンズを相手にホークスで活躍するデスパイネ選手からプロ意識の高さを感じました。ホークスから依頼を受け,報酬が支払われている以上,個人的な感情を切り離してホークスの勝利に貢献すべきであり,かつ,そうすることがホークスのファンの喜びに繋がるのです。デスパイネ選手は紛れもなく野球の「プロフェッショナル」であると思いました。
このようなプロ意識は,時として弁護士にも求められるものではないかと思います。依頼者から依頼を受け,報酬を受け取る以上,依頼者と価値観や感性等が多少異なることがあったとしても,依頼者の利益のために最善を尽くすことが弁護士の役目でもあります(もっとも,デスパイネ選手の例を弁護士が受任する事件にそのまま当てはめると利益相反の問題が生じうることになります。)。
ということで,やや強引にプロ野球選手と弁護士を結び付けてしまいましたが,今後もプロ意識を持って弁護士業務に取り組みつつ,挫けることなくマリーンズを応援していきたいと思います。