声明

『「テロ等準備罪」(共謀罪)法案の衆議院における可決に抗議し、参議院での否決、廃案を求める会長声明』(2017年5月24日)


  昨日、議論が十分に尽くされないまま、衆議院で共謀罪法案が可決されました。この可決に抗議します。
  共謀罪法案は「テロ等準備罪」という名前を冠してはいますが、その実態は、これまでの当会会長声明で指摘してきたとおり、「共謀罪」に他なりません。近代刑法の原則を根底から覆し、思想良心の自由を侵害する危険性があります。強行可決された法案には、取調べの際の録音や録画の在り方を検討することなどが盛り込まれましたが、あらゆる市民を監視し、捜査の対象にするという共謀罪法案の危険性をいささかも解消するものではなく、無意味な修正です。
  今年1月からの通常国会における共謀罪法案の審議を通じて、テロ対策とは名ばかりであること、この法案の制定が国際越境犯罪防止条約の要請とは無縁であること等が明らかになりました。そして更には、いかなる市民の集まりであっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」と判断すれば、いつ何時でも、自由であるべき市民の会話が捜査機関の監視の対象となり、逮捕、捜索・差押えという強制捜査を招来しうることまで明らかとなりました。
  このような法案は、良識の府たる参議院において十分な審議が尽くされ、否決、廃案とされなくてはなりません。
  この間、京都弁護士会は、4月16日に円山音楽堂にて、1,700人の市民とともに、「共謀罪の制定を阻止する市民集会in京都」を開催し、街頭パレードを実施しました。また、共謀罪法案の廃案を求める街頭宣伝活動を継続しています。
  京都弁護士会は、日本国憲法12条前段に「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」とあることを胸に刻み、今回の衆議院における可決に抗議し、参議院での十分な審議を求めるとともに、共謀罪法案の廃案を目ざして市民とともにあらゆる行動に取り組む決意であることをここに表明します。

      2017年(平成29年)5月24日

京  都  弁  護  士  会

会長  木  内  哲  郎



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