ユダヤ教の結婚式


弁護士会ブログをご覧の皆様、はじめまして。
弁護士法人田中彰寿法律事務所の弁護士遠藤賢(えんどうさとる)と申します。今まで私の名前を一回で読めた方はいません。

さて、人生初のブログを書きます。執筆の依頼に際し、どのような内容でもよいとのことでしたので、友人の結婚式について書かせていただきたいと思います。

先日、友人の結婚式に出席してきました。友人のアメリカ人はイスラエル育ちでユダヤ教徒ということもあり、ユダヤ教の結婚式が行われました。ユダヤ教は、キリスト教やイスラム教の元となった教えで、世界最古の宗教といわれています。
大変貴重な経験でしたので、この場をお借りして皆様にお伝えできればと思います。

~ユダヤ教の結婚式の流れ~
1)新郎新婦の入場後、新郎が新婦のベールをおろす。
    聖書の物語が元になったこの儀式には、「(この女性を選んだのは)美女だからだけではない」という意味があります。
    ユダヤ教の結婚式ではラビ(司祭)によって儀式が行われます。
    また、ユダヤ教徒がかぶるキッパ(丸い帽子)は、神に対して頭を隠すことで、謙遜の意思を表しています。
2)新婦をフッパー(天蓋)に迎え入れる。
    フッパーとは、ユダヤ教の結婚式で使用する覆い、天蓋のことです。このフッパーは、結婚した二人がこれから一緒に作っていく家庭のシンボルとして、ユダヤ教の結婚式には不可欠なものです。
    新郎が先にフッパーに入り、新婦を迎えに行きます。そして、新婦は新郎の周りを7周し、新郎は新婦をフッパーに迎え入れます。これには、一週間が7日間だからなどの諸説があるようです。
3)お祈りの言葉を述べ、1杯目のワインで祝福する。
4)お互いに誓いの言葉を述べ、指輪を交換する。
ヘブライ語から英語への通訳の方によれば、誓いの言葉は、「信仰に従って、この指輪と共に(生涯を)私にささげなさい」といった内容でした。
    指輪の交換では、相手の小指に指輪をはめ、相手が薬指に指輪をはめなおすといったことがお互いに行われました。これには、あなたを受け入れますといった意味があります。
5)二人が互いにタリート(ショール)に身を包む。
    タリートとは、お祈りの際に使用するショールのことで、互いに守り合うことを意味しています。
6)2杯目のワインで祝福する。
    ユダヤ教の祝福の内容については、抽象的であまり理解することができませんでしたが、二人が恋に落ち、結婚することで世界は完璧に近づくと信じられているようです。
7)グラスを踏み割る。
    どんなに幸福な瞬間にあっても、悲しい歴史(西暦70年、エルサレム陥落、ローマ帝国によって聖地であるエルサレム神殿が破壊されたこと)を忘れないようにという意味が含まれているそうです。

  なお、「結婚おめでとうございます」は、ヘブライ語で「מזל טוב(マザル・トヴ)」といい、星座が二人の未来を祝福するように、という意味があります。
  また、「乾杯」は、ヘブライ語で「לחיים(レ・ハイーム)」といい、人生に、という意味があるそうです。

  以上が、ユダヤ教の結婚式の流れですが、友人の結婚式は、ロマンチックで感動的なものでした。
  私は無宗教ですので普段あまり意識することはありませんが、日本の儀式にも色々な意味があるかと思います。一度、神前式などの流れについて調べてみると面白いかもしれません。
  最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

弁護士  遠藤  賢(平成29年10月2日記)


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