声明

当会会員全員に対する大量「懲戒請求」についての会長談話(2018年12月19日)


  当会が日本弁護士連合会の会長声明に賛同したことを理由に、ある特定の団体が取りまとめて、昨年11月から12月にかけて、当会のほぼ全員の会員に対する懲戒を求める書面が955通も当会に送付されてきました。これらの書面は同一の書式によるもので、「懲戒請求」の形をとっていることや、懲戒理由として記載されている内容も同一でした。当会は、このような書面の取扱につき、これまで慎重に検討してきました。

  これらの書面は、「懲戒請求」という文言が記載されているものの、対象とされる個々の弁護士の非行を特定して請求しているものではありません。そもそも懲戒制度は、個々の弁護士の「品位を失うべき非行」(弁護士法56条1項)を対象とするものであることに鑑みると、これらの書面は個々の弁護士の非行を問題としているわけではなく、弁護士会の活動に反対する意見を述べるものであって、本来弁護士法が予定している懲戒制度の趣旨に沿ったものと解することができません。よって、当会は、これらの書面は、日本弁護士連合会や当会の活動に対し、反対意見を述べるもの、あるいは批判するものと受け止め、弁護士法に定める懲戒請求としては受理しないこととしました。

  私たち弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし(弁護士法1条1項)、時として国家権力等とも対峙しなければなりません。そのための制度的保障として法による弁護士自治が認められ、弁護士に対する懲戒権はすべて弁護士会に委ねられています。したがって、弁護士会による弁護士に対する懲戒権は、弁護士自治の根幹をなすものとして、その行使は適正にされなければなりません。今回の大量「懲戒請求」は、このような本来の懲戒制度の趣旨に沿ったものとはいえず、誠に残念なものといわなければなりません。

  当会は、ここに改めて弁護士自治の重要性を認識し、懲戒制度の適正な運用に努め、弁護士及び弁護士会に対する信頼を維持・確保していく所存です。市民の皆さまには、弁護士会の懲戒制度の趣旨をご理解いただきますようお願い申し上げる次第です。

2018年(平成30年)12月19日

京  都  弁  護  士  会

会長  浅  野  則  明


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