声明

有事法制関連7法案・3条約承認案件の成立に対する会長声明(2004年6月18日)



1  6月14日、参議院本会議において、「国民保護法案」など有事法制関連7法案・3条約承認案件が可決された。
2  当会は、「武力攻撃事態対処法」等のいわゆる有事法制3法が可決成立した昨年6月6日、同法案が憲法の基本原則(国民主権、基本的人権尊重、平和主義、地方自治の本旨尊重)に照らして問題点が多く、十分な審議が尽くされなかったことに遺憾の意を表明し、この法律にもとづき制定されていく法律が憲法の基本原則を損なうことがないよう求める会長声明を出した。
3  「国民保護法案」など有事法制7法案・3条約は、「武力攻撃事態対処法」等のいわゆる有事法制3法を具体化するものであるが、前記憲法の基本原則に照らして、以下の問題点を指摘せざるを得ない。
「国民保護法案」は、武力攻撃事態等の発生の可能性という立法事実自体や、そこで想定される住民避難等の措置の実現可能性に疑問があるばかりか、平時から国民に非現実的な危機意識を植え付け、知る権利をはじめとする国民の人権を制約する危険性を有するなどの問題点がある。また、米軍支援・自衛隊活動に関する各法案・条約も、憲法が禁止する集団的自衛権の行使や、交戦権の行使を可能とする措置を内容とし、市民の生活や権利に対する幅広い制約を及ぼす危険性を有するなどの問題点がある。
4  有事法制関連7法案・3条約承認案件は、広く国民的議論を行ない、国会での慎重かつ徹底した審議が必要であったのに、衆参両院とも十分な論点整理や審議が行なわれなかった。法案の問題点が国民の前に明らかにされないまま可決成立したことはまことに遺憾である。
5  当会は、国際協調主義に則り、非軍事的方法を真摯に模索探求し、平和主義を実現していくことこそが基本的人権の尊重であることを確認し、今後、有事法制3法及び有事法制関連7法等の発動が決してなされることのないよう強く求めるものである。

2004年6月18日


京都弁護士会

会  長    彦惣  弘


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