声明

拘禁施設への要望書(舞鶴拘置支所)(2005年2月25日)


2005(平成17)年2月25日

舞鶴拘置支所
  所長  山  口  博  康  殿

                                                
京都弁護士会            

                                                  
会  長    彦  惣      弘

                                                
同人権擁護委員会        

                                                  
委員長    竹  下  義  樹


要  望  書

第1  要望の趣旨
    貴所における人権救済申立事件の調査において、当会人権擁護委員会委員が拘禁中の申立人(受刑者・被疑者・被告人)から事情聴取する際、貴所の職員が立ち会うことなく事情聴取ができるようにしてください。

第2  要望の理由
1  これまで当会人権擁護委員会に対し、拘禁施設に拘禁されている受刑者・被疑者・被告人(以下「拘禁者」といいます)から多数の人権救済が申し立てられています。当会は、そうした申立に対し、調査の上人権侵害の事実を認定した場合は、警告・勧告・要望等の救済措置を講じてきました。
  とりわけ、2002(平成14)年10月に、名古屋刑務所において、受刑者に対する重大な人権侵害事件が発覚したことが契機となり、2002年度以降、当会人権擁護委員会に対し、拘禁施設における人権侵害を理由とする拘禁者からの人権救済申立が急増しています。
  2  これまで、拘禁者が当会人権擁護委員会に対して人権救済申立を行っても、申立人に対する事情聴取は、人権侵害の相手方とされている拘禁施設の面会室において行われ、その際、当該施設の職員が立ち会って事情聴取がなされてきました。しかも、立ち会った職員は、当会人権擁護委員会委員が申立人から聴取した内容を記録しています。
3  拘禁施設における人権侵害において、拘禁者が当会人権擁護委員会委員に対し自由に事情を説明し、あるいは意見を述べることができるためには、拘禁施設の外において面談がなされるか、拘禁施設内において事情聴取がなされる場合は当該施設の職員が立ち会わない環境で事情聴取がなされることが必要です。当該施設の職員が立ち会った状態で事情聴取が実施されることは、権利保護の観点から極めて重大な問題があるといわざるを得ません。
      そのため、この問題について、法務省矯正局等に対し、たとえば、1989(平成元)年3月に東京弁護士会が要望を、1998(平成10)年に日本弁護士連合会がお願いを、さらには1999(平成11年)年に愛媛弁護士会が申し入れを行ってきました。そして、2003(平成15)年8月7日には、日本弁護士連合会は、富山刑務所に在監中の受刑者が申し立てた人権救済申立に関して、富山県弁護士会が行った調査に際して刑務官が立ち会いを行ったことについて、大要、「刑事拘禁施設で各弁護士会の人権擁護委員会委員による面会調査がなされる場合には、施設職員による立会をさせないよう、各刑事拘禁施設に指示を徹底されるように警告する」ことを内容とする警告書を、法務大臣、法務省矯正局長及び富山刑務所所長に対して執行するに至っています。
      さらに、法務大臣の私的諮問機関として設置された行刑改革会議が採択した「行刑改革会議提言」においても、「弁護士との面会については、必要と認める場合は、職員が立会をしない。」との指摘が明確になされています。
  4  このような日本弁護士連合会や各弁護士会、さらには行刑改革会議による指摘にもかかわらず、極めて遺憾ながら、一向に現状の改善がなされていません。
当会がこれまで以上に適切かつ迅速に事実の調査を行い、人権侵害行為の有無を判断するためには、申立人が気兼ねなく事実を述べることを可能としなければならず、そのためには、拘禁施設の職員による立ち会いを排除することが必要不可欠です。監獄法50条、監獄法施行規則127条1項、同条3項の規定も、かかる立ち会いなしの面会調査を許容していると解されるのであって、監獄法等の改正を行うまでもなく、職員の立ち会いなしの面会調査は運用上実現可能なことです。
5  よって、貴所において今後当会人権擁護委員会委員が行う人権救済申立に伴う拘禁者からの事情聴取に際しては、職員を立ち会わすことなく事情聴取が実施されるよう、ここに要望します。
以  上


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