在日コリアンの子どもたちに対する嫌がらせ等に関する会長声明(2006年9月11日)




  朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」という)が,2006年(平成18年)7月5日,テポドンを含むミサイルを発射したとの報道以降,日本各地で,朝鮮学校に通う子どもたちと朝鮮学校が,心ない人たちによる嫌がらせに遭ってます。
  しかしながら,朝鮮学校及び朝鮮学校に通う子どもたちには,北朝鮮がミサイルを発射したとされることについて何の責任もありません。
  在日コリアンの多くは植民地時代に来日して以来,民族的少数者として長期にわたり差別を受けてきており,朝鮮学校に通う子どもたちへの嫌がらせも,この差別と根を同じくするものです。私たちの社会は,未だにこのような差別を克服できていません。しかし,民族・文化の違いを違いとして受け止め,理解し,お互いの人権を尊重する社会こそが望ましい社会です。
  また,憲法及び国際人権規約等は,人種や民族による差別を厳しく禁じています。在日コリアンの子どもたちにも,かかる差別を受けることなく生活し,学校に通う権利が保障されています。在日コリアンの子どもたちに対する嫌がらせはこれらの権利を侵害するものであり,決して許されるものではありません。
  当会は,在日コリアンの子どもたちに対する嫌がらせが決して行われないよう,また,一人ひとりがお互いの人権を尊重し,共生できる社会をつくるよう,強く訴えます。
  そして,当会は,今後も国籍・民族が異なっても,お互いの人権を尊重し,共生できる社会の実現に向けて,積極的に取り組み続ける決意を表明します。
以  上

          

2006年(平成18年)9月11日

                                  
                                  
京都弁護士会        

会長    浅岡    美恵


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