決議

法曹一元・陪審を実現し、真の司法改革を推進する決議(2000年5月29日)


21世紀の司法をどのようにしていくのか、司法制度改革審議会において、急ピッチで論議が進められています。しかし、今、司法改革の行方は、大きな岐路に立たされています。
私たちは、「小さな司法」から「大きな司法」へ、「官僚の司法」から「市民の司法」への根本的な転換こそが、司法改革の要であると考え、司法予算を大幅に増やすと共に、法曹一元や、陪参審制度を導入すること等、市民に身近で役に立つ「市民の司法」に転換するためのさまざまな改革提言を訴えてきました。昨年10月の臨時総会においては「法曹一元と陪参審の実現を求める決議」を採択し、これを司法制度改革審議会に送付して、その審議の行方を注視してきました。
しかし、この間、最高裁判所は、過去54年にわたる裁判所のあり方にはほとんど改めるべきところはないとする現状肯定論を打ち出すとともに、法曹一元や陪審制度については導入のための基盤が整備されていないなどとして、強く反対するなど真の司法改革を押し止めようとしてきています。しかし、最高裁判所を頂点とする官僚的裁判官制度が、裁判官への萎縮効果を生み、裁判官の目を市民ではなく最高裁判所に向けさせる役割を果たしてきたことは、広く明らかにされてきていることです。また、裁判への市民参加制度のなかったことが、市民を司法から遠ざけてきたことも間違いありません。こうしたことに目をつむる現在の最高裁判所の動きは強く批判されなければなりません。
一方、これまでの司法制度改革審議会の論議のなかで、改革の最大の課題であるはずの「司法官僚制」の実態についての議論が、極めて不十分なまま推移しています。また本来法曹一元を視野に入れて検討されるべき法曹養成制度についても、大学主導で、司法改革の視点に乏しい「法科大学院構想」として進められようとしています。このように、現在の「司法官僚制」を抜本的に改革することの必要性やその改革の道筋が、司法制度改革審議会において今なお十分に明らかにされているとは言いがたい実情にあります。
司法制度改革審議会は、今秋中間答申をとりまとめることとなっており、法曹一元や陪参審制度の導入をめぐる論議は、今後一気に加速される状況にあります。しかし、現在の最高裁判所の動向や、司法制度改革審議会での現在までの論議の状況に照らす時、現状に引きずられ、明確な改革の方向性が打ち出されないのではないかという懸念を覚えずにはおれません。
最高裁判所は、官僚的な司法運営がもたらした弊害を謙虚に省みるべきです。
司法制度改革審議会は、その点に厳しくメスを入れた論議と検討を尽くし、そのための改革案をこそ示すべきです。そして、法曹一元と陪審制の導入をその最重要課題と位置づけて、導入すべきであるとする結論を明確に打ち出すべきです。21世紀にふさわしい市民に開かれた司法、市民が参加し、市民がになう司法、利用しやすく頼りがいのある司法、そうした司法を作り上げるため、今こそ真の抜本的改革案を示すべきです。
私たちは、市民の方々とともに、法曹一元や陪審制の実現をはじめ21世紀にふさわしい司法の改革を推し進めるため、さらに奮闘することを決意するものです。


以上のとおり、決議する。


2000年(平成12年)5月25日

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