「弁護士刺殺事件に関する会長声明」(2010年11月5日)


  昨日、秋田弁護士会所属の津谷裕貴弁護士が同弁護士の自宅を訪れた男性から上半身を刃物で刺され死亡するという事件が発生した。
  本事件は、受任していた離婚事件の相手方であった者が弁護士への逆恨みから殺害に及んだ業務妨害行為である疑いが強く、このような犯罪は断じて許されるものではない。
  津谷裕貴弁護士は、秋田弁護士会会長、日本弁護士連合会理事などを歴任され、現在は、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の委員長を務めておられた。消費者問題全般について高い見識を持ち、まさに消費者問題の全国的な中心としての役割を果たしておられた。ライフワークとしていた商品先物取引への不招請勧誘禁止の導入を経済産業省の審議会委員として実現され、その施行を来年1月1日に控えた今お亡くなりになられたその無念に想いを寄せるとき、深い悲しみを禁じ得ない。
  当会は、津谷裕貴弁護士のご冥福を祈り、ご遺族に対して心から哀悼の意を表するとともに、暴力的な手段による弁護士活動への妨害行為に決して怯むことなく、弁護士の使命を貫徹していく決意であることをここに表明する。

    2010年(平成22年)11月5日

京  都  弁  護  士  会

会長  安  保  嘉  博

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