意見書

「福井県内に設置された原子力発電所及び原子力施設に関する意見書」(2012年2月23日)


2012年(平成24年)2月23日


関西電力株式会社  代表取締役社長  八  木      誠  殿
日本原子力発電株式会社  代表取締役社長  濱  田  康  男  殿
独立行政法人  日本原子力研究開発機構  理事長  鈴  木  篤  之  殿
経済産業大臣  枝  野  幸  男  殿


京  都  弁  護  士  会

会長  小  川  達  雄



福井県内に設置された原子力発電所及び原子力施設に関する意見書



意 見 の 趣 旨


  当会は、2011年(平成23年)3月11日に起きた福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)における放射性物質の大量放出事故(以下「福島原発事故」という。)をふまえ、今後、同様の原子力発電所事故を絶対に発生させず、もって若狭湾周辺地域の住民をはじめ広く市民の安全と基本的人権を守るため、福井県内に設置されている原子力発電所及び原子力施設(以下「原子力発電所等」という。)に関し、以下の措置を講ずるよう求める。

  1  原子力発電所等の新増設は行わず、現在建設中及び計画中の原子力発電所等について、その建設ないしは計画を中止すること。
2  既に建設された原子力発電所等のうち、運転開始後30年を経過したものは直ちに、今後運転開始後30年を経過するものは当該期間の経過時に、順次速やかに廃炉とすること。
3  現在停止中の原子力発電所等については、福島原発事故の原因を解明し、当該事故原因に基づいた万全の安全対策を講じない限り運転を再開しないこと。
4  すべての原子力発電所は、今後10年以内のできるだけ早い時期に廃炉にすること。

意 見 の 理 由


第1  原子力発電の根本的な危険性
1  放射線の有害性
原子力発電は、ウランやプルトニウム等核燃料物質の原子核分裂の連鎖反応の際に放出されるエネルギーにより電気を発生させる発電方法である。この核分裂に伴い、原子炉内に放射性物質が多量に発生する。
これらの放射性物質から発生する放射線は、人体の細胞やDNAを損傷する性質を有する。このため、人が高線量の放射線を受けると、急性症状で死亡に至る危険がある。致死量に至らない場合でも、放射線量に比例して、がんや白血病等の発生のリスクが増加することが判明している。
また、100ミリシーベルト未満の線量の被ばくが累積した場合であっても、発がんリスクの増加、胎児への影響等の危険性があるとの研究もある。放射線の人体に対する影響は全て科学的に解明されているわけではないことにも留意しなければならない。

2  放射線の防護困難性
放射線や放射性物質は不可視、無味・無臭であって、一般人が五感でその存在や作用を感知できないという特質がある。また、放射線は透過力を有し、例えばガンマ線は、厚いコンクリートの壁や鉛でなければ防ぐことができない。
さらに、放射性物質は、例えばヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨に、セシウムは骨、肝臓、腎臓、肺、筋肉に多く沈着し濃縮されるなど、その種類により特定の器官に蓄積される。そうすると、放射性物質の微粒子が経口又は吸入により体内に摂取されるいわゆる内部被ばくの場合、この放射性物質が上記特定器官に蓄積されることにより、放射線を体内で被ばくし続けることになる。
このように、放射性物質や放射線は、その不覚知性、透過性、蓄積性等の性質により、防護することが著しく困難である。

3  放射性物質の拡散性及び長期性
放射性物質、特に揮発性のものは、外界に放出されると、気流・水流・海流等によって遠距離・広範囲に拡散しやすい。1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所の放射性物質大量放出事故(以下「チェルノブイリ原発事故」という。)では、大気中に拡散した放射性物質が風に乗って地球を一周したといわれる。福島原発事故によって放出された放射性物質も、アメリカやヨーロッパで観測されている。
      また、放射性物質は消滅することがない。その放射性物質の量が初期量から半分になる半減期は、種類により異なるが、ヨウ素131は8日と短いものの、セシウム137は30年、ストロンチウム90は29年、プルトニウム239は2万4360年と極めて長期間に亘る。このため、放射性物質に汚染された土地や家屋を放棄しなければならない事態が生じうるのであり、現に、チェルノブイリ原発事故においては、発電所から約30キロメートル圏内の地域が、事故後25年を経た今も立入禁止となっている。
      このように、放射線を発する放射性物質は拡散し、影響が広範囲に及びやすく、かつ影響が長期に残存しやすい。

4  事故の危険性
このような放射線や放射性物質の危険性を踏まえ、放射線障害防止法等により、放射線被ばく基準が公衆(年間1ミリシーベルト)及び職業人(5年間100ミリシーベルトかつ年間50ミリシーベルト、女性は3か月で5ミリシーベルト等)についてそれぞれ定められ、放射線管理区域の基準(3か月で1.3ミリシーベルトまたは1平方センチメートル当たり4ベクレル。ただしアルファ線を発するものは0.4ベクレル)が定められている。さらに、労働安全衛生法及び電離放射線障害防止規則により労働者保護の観点から、上記と同様の被ばく基準の設定や放射性物質による汚染が生じた場合の事業者の除去義務等が定められている。
また、原子炉等規制法は、原子炉の設置、建設、運転及び廃止措置等について行政庁の許認可を要求し、国が定める基準に基づく安全審査や定期検査を義務付けるなどして事業者を規制している。
このような放射線の危険性や事業者に対する厳格な法的規制にもかかわらず、国内外において、原子力発電所における事故は繰り返し発生してきた。事故の中でも、1979年のスリーマイル島原子力発電所事故、1986年のチェルノブイリ原発事故、1999年の茨城県東海村におけるJCO臨界事故など、原子炉から放射性物質や放射線が外部に放出される事故が起きると、労働者のみならず周辺の住民や環境にとって致命的な危険が及び、大災害がもたらされうる。

5  使用済み核燃料の危険性等
原子炉事故以外にも、原子力発電の危険は存在する。原子炉の運転により発生する使用済核燃料等のプルトニウムを含む放射性廃棄物については数万年以上の長期間に管理しなければならないといわれているが、地中に埋めるなどの方法も安全性が確実であるとはいい切れず、現に、未だ最終的な処分先も決まっていない状況である。放射性廃棄物から更なる環境汚染や人権侵害の危険性をもたらしうるのである。
なお、原子力発電所の維持存続には、常に放射線の被ばくの危険を冒すことを余儀なくされる多数の労働者の存在や、多額の金員により過疎地域に原子力発電の危険を押し付けてきた差別と犠牲の歴史があることも忘れてはならない。
      このように、原子力発電は根本的に多大な危険性を孕む発電方法であり、他の発電方法とは根本的に異質な危険性を内包するものである。

第2  福島原発事故
1  福島原発事故の発生
    2011年3月11日に起きた福島原発事故は未曽有の大災害となった。
1955年の原子力基本法制定、1963年の茨城県東海村の動力試験炉による初発電以降、各電力会社は、原子炉等規制法の国の許可に基づき、原子力発電所の設置・運転を積極的に推し進めてきた。
原子力発電所の事故による大災害の危険性は早くから指摘され、設計段階においては事故防止のため多重防護構造がとられ、建設・運転段階においては原子力発電所の安全性確認手段として事業者の自主的検査に加え、原子力安全委員会による安全審査指針の策定とこれに基づく審査、原子力安全・保安院による定期検査等が行われ、日本において重大事故は生じないと喧伝されてきた。また、万一の災害発生時に備え、原子力災害対策特別措置法により、オフサイトセンターの設置、緊急時対策支援システム(ERSS)の開発、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の開発、定期的な防災訓練などが実施されてきた。
しかし、福島原発事故では、地震・津波の発生を機に原子力発電所の全交流電源が予備電源も含めて全て喪失し、原子炉の冷却が不可能となり、これによって1号機、2号機、3号機はいずれもメルトダウン(炉心溶融)を引き起こし、1号機はさらに落下した核燃料が圧力容器の底を貫通して格納容器に落下して堆積するメルトスルー(炉心貫通)まで引き起こしている。さらに1号機・3号機の原子炉建屋内において水素爆発が生じ、放射性物質が大量に外部に放出される事態となった。そして、広範囲の停電や大規模な放射線汚染によりオフサイトセンターは機能せず、SPEEDIのデータも米軍を除く国内関係諸機関や市民には伝えられず、これに基づく避難指示も遅れた結果、多数の住民に放射性物質が流されていく方向に避難指示が出されるなど、住民の十分な安全確保を図ることもできなかった。

2  福島原発事故の被害
福島原発事故は、経済産業省原子力安全・保安院によれば、事故発生から数日間のうちに77万テラベクレルの放射性物質が大気中に放出されたと発表され(2011年6月6日)、その量はチェルノブイリ原発事故で放出された量の約1割に相当するといわれている。熱量からの計算では、広島型原爆の29.6個分の放射能が放出されたとの専門家の見解が示され、セシウムは広島型原爆の168個分が放出されたと政府が国会に報告している。国際原子力機関(IAEA)が区分する国際原子力事象評価尺度(INES)では、最高のレベル7に相当するものとされた。
福島原発事故で放出された放射性物質による外部被ばくや、空気、水、食品の摂取を通じた内部被ばくにより、多数の労働者や住民が放射線の脅威にさらされ、現在及び将来の健康への影響が懸念される事態となった。現に、原発の復旧作業のため、労働者30名が100ミリシーベルトを超える量の放射線に被ばくしながら、原子炉冷却のため、放射線被ばくを伴う決死の作業が連日敢行された。かような事態のなか、2011年3月15日、職業人の緊急時の放射線被ばく限度は、100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに変更された。
また、広範囲の放射線汚染により、発電所の周囲20キロメートルが警戒区域として立入禁止となり、現在は解除されているが、20キロメートル以遠30キロメートル以内の地域が緊急時避難準備区域に指定され、さらに、飯舘村など30キロメートル以遠も含む地域が計画的避難区域として1か月を目途に避難を求められているほか、これら避難区域の外側に、いわゆる「ホットスポット」と呼ばれる特定避難勧奨地点が指定された。更なる放射線被ばくを避けるため、多数の住民や事業者が住居の放棄や事業所の閉鎖の憂き目に遭い、避難区域外の住民であっても女性や子供の健康を懸念して転居や移転を余儀なくされ、一家離散の状態にある家族も少なくない。今なお多くの住民が避難所生活を継続しているが、住民の中には避難することさえできず、被ばくの危険にさらされながらの生活を余儀なくされるものも存する。また、文部科学省が発表した放射性セシウムの蓄積量に基づく汚染地域は、岩手、富山、山梨、長野、岐阜、静岡を含む18都県に及んでおり、最近の調査では放射性物質の飛散が関西や北海道に達しているといわれている。
さらに、放射性物質による汚染により、商品の流通や水道の供給が制限され、商業・観光への多大な影響も生じている。福島原発事故で放出された多量の放射性物質により、農地、牧草地、山林、河川、海洋等が汚染され、米、野菜、キノコ類、茶、牛肉、原乳、イカナゴの稚魚等から基準値を上回る放射性物質が検出されるに至った。これらの食品に関しては、栃木県、群馬県、千葉県、神奈川県までをも含む広い範囲において、出荷停止等の措置が課せられた。さらに、水道水からも放射性物質が検出され、一時は、福島第一原発から200キロメートル以上離れた東京の浄水場でも、乳幼児の飲用を控えるよう呼びかけられ、福島県飯舘村では2011年5月10日まで水道水の飲用が制限された。第二次、第三次産業に与えた影響も大きく、事業所の閉鎖・移転、製品の出荷・輸出に対する放射線検査などの規制、福島県及びその周辺地域への観光客・訪問者数の減少など、副次的な被害も数多く生じている。
このように、福島原発事故による生命・身体への影響、経済的損害、精神的損害の規模は計り知れない。福島原発事故を原因とする損害額は、低く見積っても数兆円に上ると指摘されており、被害者に対して東京電力や国がどれほど十分な損害の賠償をなしうるか、極めて不透明な状況にある。事故発生から1年近くを経た今も、放射線管理区域の基準を上回る放射性物質の汚染が関東地域の広範囲に生じている。政府の「冷温停止宣言」にもかかわらず、原子炉の確実に安全な停止や放射性物質による汚染の除去のめどは立っていない。
これほど多数の人権が公然と侵害され、多額の被害が生じたのは戦後かつてなく、福島原発事故は、まさに未曾有の大災害である。

3  福島原発事故の原因究明は全ての出発点である
福島原発事故をふまえ、国及び調査機関が主体となって、事故原因の徹底した究明と関係者の責任追及、場合によっては厳正な処罰を行うとともに、電力会社及び国が、事故被害者に対する適正妥当な損害賠償と被害回復措置を行うことは、法的な事後処理として、当然に必要な措置である。
加えて、福島原発事故を教訓とし、同様の惨禍を二度と繰り返さないことが法的事後処理と同等、もしくはそれ以上に重要であるという点については、市民の一致するところであると考える。
原発事故の惨禍を繰り返さないためにも、また、適正かつ公正な事故処理のためにも、事故原因の徹底した究明が必要不可欠であるということもまた、異論のないところである。
しかしながら、事故発生から1年近くが経過し、2011年12月には、東京電力の社内調査委員会の中間報告書や政府の事故調査・検証委員会の中間報告書が相次いで公表されたが、現時点においても、福島原発事故の発生機序は、依然として不明なままである。特に、福島第一原発からの放射能漏れの原因が地震の強振動によるものなのか、それとも津波の影響によるものなのかというごく基本的な点についてさえ未だに判然としないことは、極めて問題である。それどころか、東京電力は、放射能漏れの原因が強振動である可能性を示す圧力容器のデータ等、数々の傍証が存在するにも関わらず、頑なに「津波が原因である」との見解を堅持している。また、国も「津波到達前の損傷は確認されていない」などとして、放射能漏れの原因が強振動に存する可能性を示す事実を直視しない現状にある。残念ながら、国や電力会社のこうした姿勢は、事実を前提に事故の原因を究明し、今後の安全対策に生かそうという真摯な立場からほど遠いといわなければならない。
以上の観点から、当会は、福島原発事故の原因解明が全ての出発点となるべきことを、あえて強調する。

第3  福井県内の原子力発電所等における災害発生のおそれ
1  福井県内の原子力発電所等
当会の存する京都府に接する福井県には、若狭湾岸に敦賀、美浜、大飯、高浜の4か所の原子力発電所等に合計15基もの原子炉がある。具体的には以下のとおりである。なお、稼働状況については2012年2月21日現在の状況であり、すべての原子炉が停止している。
ア  日本原子力発電株式会社敦賀発電所
1号機(沸騰水型軽水炉・出力35万7千キロワット)
            運転開始:1970年(昭和45年)3月14日(稼働42年)
            現在、定期検査のため停止中。
2号機(加圧水型軽水炉・出力116万キロワット)
            運転開始:1987年(昭和62年)2月17日(稼働25年)
            現在、定期検査のため停止中。
      イ  独立行政法人日本原子力研究開発機構新型転換炉ふげん発電所
ふげん(新型転換炉・出力16万5千キロワット)
            運転開始:1979年(昭和54年)3月20日
            運転終了:2003年(平成15年)3月29日
現在、廃炉作業中。
ウ  独立行政法人日本原子力研究開発機構高速増殖原型炉もんじゅ
もんじゅ(高速増殖炉・出力28万キロワット)
              建設中(1991年(平成3年)5月18日試運転開始。1995年(平成7年)12月8日の2次系ナトリウム漏えい事故により試運転停止。2010年(平成22年)5月6日試運転再開。同年8月26日炉内中継装置落下事故により試運転停止)
エ  関西電力株式会社美浜発電所
1号機(加圧水型軽水炉・出力34万キロワット)
            運転開始:1970年(昭和45年)11月28日(稼働42年)
現在、定期検査のため停止中。
2号機(加圧水型軽水炉・出力50万キロワット)
            運転開始:1972年(昭和47年)7月25日(稼働40年)
2011年12月に定期検査が予定されていたが、その前にトラブルにより停止し、現在も停止中。
3号機(加圧水型軽水炉・出力82万6千キロワット)
            運転開始:1976年(昭和51年)12月1日(稼働36年)
現在、定期検査のため停止中。
オ  関西電力株式会社大飯発電所
1号機(加圧水型軽水炉・出力117万5千キロワット)
            運転開始:1979年(昭和54年)3月27日(稼働33年)
現在、トラブルのため停止中。
2号機(加圧水型軽水炉・出力117万5千キロワット)
            運転開始:1979年(昭和54年)12月5日(稼働33年)
現在、定期検査のため停止中。
3号機(加圧水型軽水炉・出力118万キロワット)
            運転開始:1991年(平成3年)12月18日(稼働21年)
現在、定期検査のため停止中。
4号機(加圧水型軽水炉・出力118万キロワット)
            運転開始:1993年(平成5年)2月2日(稼働20年)
現在、定期検査のため停止中。
カ  関西電力株式会社高浜発電所
1号機(加圧水型軽水炉・出力82万6千キロワット)
            運転開始:1974年(昭和49年)11月14日(稼働38年)
現在、定期検査のため停止中。
2号機(加圧水型軽水炉・出力82万6千キロワット)
            運転開始:1975年(昭和50年)11月14日(稼働37年)
現在、定期検査のため停止中。
3号機(加圧水型軽水炉・出力87万キロワット)
            運転開始:1985年(昭和60年)1月17日(稼働28年)
2012年2月20日、定期検査のため停止。
4号機(加圧水型軽水炉・出力87万キロワット)
            運転開始:1985年(昭和60年)6月5日(稼働27年)
現在、定期検査のため停止中。

2  原発の老朽化と耐用年数に関する問題点
福島第一原発の原子炉は全て運転開始から30年を経過していたところ、福井県内の原子力発電所等でも老朽化と耐用年数の問題が無視できない。廃炉作業中のふげんと試運転停止中のもんじゅを除く13基の原発は、運転開始後40年を経過したものが3基、30年以上40年未満が5基、20年以上30年未満が5基で、老朽化による配管等の設備の劣化が懸念される。
      原子力発電所について、法律で特に耐用年数が定められているわけではない。しかし、2009年1月の制度改正に伴い、運転開始後30年を経過する原子力発電所は、運転年数が長期間経過していることから、30年を経過する前に設備の経年劣化に関する技術的な評価を実施し、同評価結果に基づく長期保守管理方針を策定して、10年毎に再評価を行うことが法令上義務付けられている。このように、原子力発電所の高経年化にともなう安全性の評価に関して、国の制度のもとでも、30年をポイントとして、それ以前とそれ以後では、違う評価を行う仕組みをとっていることが明らかである。これは、原発の耐用年数が30年から40年といわれていることから定められていることであり、それは、以下に述べる脆性劣化をはじめとして、原発の施設全体が金属疲労等により劣化するためである。
鋼は一定の温度以下になると粘りがなくなり、衝撃に対して非常に弱くなるが、その境目の温度のことを脆性遷移温度という。原子炉圧力容器の配管が地震などで破裂すると、冷却水が失われ、緊急炉心冷却システム(ECCS)が作動し、冷却水が注入される。その時に原子炉圧力容器の鋼が脆性遷移温度以下であれば、圧力容器が壊れる危険がある。
他方、原子炉圧力容器は、燃料領域から漏出する高速の中性子によって常に照射され、微細な組織変化が生じ、容器鋼材が脆くなる現象(照射脆化)により劣化する。
照射脆化により、圧力容器の脆性遷移温度は上昇する。そのため、長期間の照射脆化によって劣化(脆性劣化)した原子炉圧力容器は、冷却水のために破損する危険性が高まる。電力各社は、原子炉内に試験片を配置し、これを取り出して脆性遷移温度の検査を行っているが、若狭湾の各原子力発電所の原子炉容器の脆性遷移温度は、美浜原発1号機が2001年時点で摂氏81度、美浜原発2号機が2003年時点で摂氏78度、大飯原発2号機が2000年時点で摂氏70度、高浜原発1号機が2002年段階で摂氏68度まで上昇している。さらに、高浜原発1号機は2009年時点で95度に上り、しかもこれは予測値より8度も高いことが明らかとなっていることからも、深刻な問題というべきである。
このように、福井県内に設置された原子力発電所等では、相当老朽化した原子炉が継続使用されており、地震や老朽化による事故の危険性はさらに高まっているといわなければならない。

3  若狭湾岸における地震及び津波発生のおそれ
福井県の若狭湾岸については、近い将来における大地震や津波発生の危険性が専門家によって指摘されている。
そもそも、わが国は大地震の頻発する「地震大国」であり、大地震発生の危険性は、太平洋岸、日本海側、内陸部のいずれにおいても変わりはない。日本列島においては、いつ、いずれの地域において巨大地震が発生しても不思議ではなく、若狭湾周辺地域も例外ではない。
福井県に設置されている原子力発電所が面する日本海沿岸も、今般東日本大震災が発生した太平洋側に劣らず、大地震が繰り返されてきている。1586年には天正大地震が発生し、若狭地方が津波に襲われ多数の死者が出たとの記録が存するし、1927年3月に発生した北丹後地震(M7.3、死者2925人)は、京都府丹後半島北部を震源として、敦賀市、福井市にまでその被害が及んだ。また、1948年6月には、福井県を中心に北陸から北近畿を襲った福井大地震(M7.1、死者3769人)が発生している。
また、阪神淡路大震災の発生以降、日本列島は大地震の活動期に入ったと指摘する見解もあり、若狭湾における大地震発生の危険性が従来より高まっている可能性は、否定できない。
      巨大地震が発生した場合、強震動、大津波、地殻変動に起因する沈降による長期の浸水等が起こりうる。巨大地震に伴うこれらの現象により、原子力発電所においては、原子炉自体の損傷、冷却水等の配管の破断、電気系統の断線や冠水などの被害のいずれかもしくはいずれもが生じうる。これらの破壊現象が複合し、いわゆる過酷事故を惹き起こすことになる。特に、若狭湾周辺の原発については、活断層の真上に設置されたものが複数存することから、上記被害の危険性をさらに高めているといえる。
したがって、ひとたび若狭湾周辺で巨大地震が発生した場合、福井県に設置されている原発においても、強震動や津波などにより、福島原発事故と同様の過酷事故が発生する危険性が十分に存するといわなければならない。
地震に対する備えに関しては、原子力安全委員会が安全審査指針を定めている。しかし、今回の地震により福島第一原発の2、3、5号機が受けた地震動は東京電力が上記指針により想定したものを上回っており、1号機では想定内の地震動でも深刻な事故に至っている。また、上記指針では、地震・津波により複数の設備・機器が同時に故障することも、長時間に及ぶ全電源喪失の危険性も全く想定されていなかったものであり、そもそも、地震や津波等に対する備え自体が十分であったとはいい難い。斑目春樹原子力安全委員会委員長と寺坂信昭経済産業省原子力安全・保安院前院長がいずれもこの安全審査指針に誤りがあったことを認め、国会の福島原発事故調査委員会で謝罪している状況である。
したがって、福井県内の原子力発電所等において、福島原発事故と同様の大災害が生じるおそれが十分にあるといわざるを得ず、原子力発電所事故が発生したときに「想定外」では済まされない福島原発事故の惨状に鑑みれば、到底看過しえない状況であるというべきである。

4  福井県内の原子力発電所における重大事故発生がもたらす被害
      万一、若狭湾周辺地域の原子力発電所等において、福島原発事故のような放射性物質の大量放出事故が起きた場合、その被害規模は甚大なものになると予測され、決して許容できるものではない。福井県及び京都府を含めた北陸・近畿地方一帯の広範囲の住民に甚大な被害が生ずることは必定である。
高浜原発から半径20キロメートルのエリアには、舞鶴市のほぼ全域が、また国の原子力安全委員会が方針として示している防災対策の重点区域である30キロメートル圏内には、宮津市のほぼ全域と綾部市の大部分、南丹市、京丹波町、福知山市、伊根町及び京都市左京区の一部が含まれる。京都市中心市街地は、高浜・大飯の各原発からわずか約60キロメートルの距離にある。これは、放射線管理区域の基準を超える高濃度の汚染が生じている福島市から福島第一原発までの距離とほぼ同じである。
また、原発から琵琶湖までの距離は、最短で30キロメートルほどしかなく、滋賀県の調査では、福島原発事故と同様の事故が発生すれば琵琶湖の北部が放射性物質に汚染されるとの予測結果が発表されており、周辺流域から汚染された河水の琵琶湖への流入も当然予想されるところである。琵琶湖は、滋賀県のみならず京阪神地域住民の飲料水となる「水がめ」であり、一旦琵琶湖の水が放射性物質に汚染されれば、極めて広範囲かつ多数の住民の生命・健康が危険にさらされ、いわゆる水パニックに陥ることが容易に想定される。
さらに、京都は寺社仏閣等多数の歴史的文化遺産を有する観光都市であるところ、深刻な放射能汚染が生じれば、観光都市としての価値が大きく毀損されることはもちろん、これに伴う経済的恩恵も喪失するおそれが極めて高い。
このように、京都府民はもちろん、広く阪神地域も含めた膨大な住民の生命身体の安全や経済的利益を多大な危険にさらすこととなる。福島原発事故の惨禍が、まさにこの京阪神地区において再現されることになるのである。
このような事態を絶対に発生させてはならない。

第4  福井県内の原子力発電所等の運転継続をいかに考えるべきか
1  エネルギー政策の根本的見直しと原発から撤退する必要性が高いこと
本意見書第1で詳細に指摘したとおり、原子力発電は、人類にとって極めて危険な発電方法である。かかる危険性は、スリーマイル島、チェルノブイリにおける原発過酷事故が端的に示していた。わが国は、これら海外の過酷事故を教訓とすることもなく、国内でもJCO臨界事故をはじめとする数々の原発事故を経験しながら適切な措置を講ずることがなされないまま、福島原発事故という未曾有の大災害を惹き起こした。
本意見書第2で詳細に指摘したとおり、福島原発事故は戦後最大の国難というべき極めて深刻な事態に至っている。にもかかわらず、事故後1年近い月日が経過した現在も、その原因は十分には解明されていない。
本意見書第3で詳細に指摘したとおり、福井県内の原子力発電所等についても、福島原発事故と同様の過酷事故を惹起する危険性は十分に存在する。そして、仮に福井県内の原子力発電所等において福島原発事故と同様の過酷事故が発生した場合、京都府地域はもちろん京阪神地区を含めた近畿全域において、福島の現状と同等もしくはそれ以上の惨禍が予測される。
以上の事実を踏まえると、わが国は、原子力発電を推進する姿勢を改め、従来のエネルギー政策を根本的に見直し、長期的には原発から撤退することが求められているものといわなければならない。そうすると、原子力発電所等の設置、稼動、運転を従来どおり継続するという判断があり得ないことは明白である。

2  追加の安全対策による稼動継続が許容できるか
福井県内の原発については、十分な安全対策を講ずれば、その稼動継続には問題がない旨の見解も存する。
しかしながら、このたびの福島原発事故は、「原発は、多重防護による対策がとられているから絶対に安全である」との「安全神話」を完全に崩壊させたものであり、人智の及ぶ「安全対策」がいかに脆弱なものかを如実に露呈したものといえる。
そして、先に述べたとおり、福島原発事故の原因究明なくして同種事故の防止策を講ずることは不可能であるが、現時点において、かかる事故原因の究明はほとんどなされていない。すなわち、いかなる安全対策が適切かつ万全かが不明なまま、「安全対策」が論じられており、福島原発事故の教訓は何ら生かされていないというのが現状である。また、福井県内の原発に関しては、過去の地震や津波の教訓も踏まえた安全対策を講ずるべきところ、先述の天正大地震における津波被害のボーリング調査もまだ始まったばかりであって、かかる意味でも「安全対策」を論ずるのは時期尚早というべきである。
なお、現在、ストレステスト(耐性評価)をクリアすれば原発の安全性が確認されるかのような議論がなされている。しかし、ストレステストは、原子力発電所の安全性について、あくまでもコンピューターによるシミュレーションをするだけのものである。その際、評価の基準になるのは福島原発事故発生以前の従来の安全審査指針であり、それと比較してどれだけ余裕度があるかを評価するものにすぎない。福島原発事故を踏まえ、安全性の評価基準について、全面的な見直しが求められている状況のもとで、従来の安全審査指針を前提とするストレステストをクリアしても、原発の安全性が確認されたとは到底いえない。斑目春樹原子力安全委員会委員長も、ストレステストの一次評価だけでは安全性評価として不十分と述べているところである。
原子力発電所事故が発生したときに「想定外」が許されないことは、福島原発事故の惨状が教えるところである。上記に照らせば、基本的には、現在予定されている安全対策が追加されたとしても、福井県内の原子力発電所等の稼働・運転の継続を許容できる環境にはないものといわなければならない。

3  電力供給にまつわる諸問題について
原子力発電所等の存続、廃止を検討するにあたり、電力需給問題,発電コストの問題,地球温暖化問題との関係等で,原子力発電の優位性が指摘されることが多々ある。ここでは,電力需給問題を中心に,その他の電力供給に関する諸問題について,検討することとする。
(1) 基本的な考え方
電力需給問題が市民生活の基本インフラに関わる問題であり、停電の事態が発生すれば、単なる経済問題にとどまらず、場合によっては、市民生活が脅かされ、その生命・身体にまでその影響が及ぶ可能性があることは否定できない。しかしながら、放射性物質の拡散という事態が生ずれば、広範囲かつ長期にわたる市民の生命・身体に対する深刻な危険がたちまち現実のものとなるのであるから、かかる危険と電力需給問題とを同列に論じることは、やはりできないというべきである。
かかる観点から、当会は、広範囲かつ長期に亘り市民の生命・身体を深刻な危険にさらす可能性を冒してまで電力の供給を優先させるような判断はなされるべきでないと考える。まず、この視点を、議論をはじめるにあたっての基本的な考え方として確認する。原発の稼働を自明の前提として電力需給問題を論ずることは、市民の安全を軽視する議論であり妥当ではない。
したがって、わが国は、原子力発電に依存したエネルギー政策を根本的に改め、再生可能エネルギーの推進とエネルギー利用の効率化・省エネルギーに積極的に取り組むことが強く求められているものといわなければならない。
      なお、電力需給問題と関連して、原発の発電コストが安価であることが従来強調されてきたが、その根拠には原発開発を促進するための税金や使用済み核燃料の再処理費用などは含まれておらず、これらを加えた試算では、水力発電や火力発電よりも高額となることが明らかとなっている。また,福島原発事故のような過酷事故が発生した場合の賠償コストについては全く計上されていないことにも留意する必要がある。
(2) 情報開示の必要性
先述のとおり、電力需給問題が重要課題であることは確かであり、これを全く無視することは非現実的でもある。そこで、以下に、関西電力の電力需給問題について検討する。
  関西電力が発表した2011年電力供給計画によれば、同年夏のピーク時の最大需要予測は当初2956万キロワットであったところ(関西電力は2011年6月に2010年並みの猛暑を前提に3138万キロワットに上方修正した)、原発を全停止した場合の供給力(揚水発電を含む)は2912万キロワットが見込まれていた(なお、揚水発電を除くと、2537万キロワット)。
しかし、上記の最大電力需要予測に対しては、バブル崩壊後の経済成長案と対比すると、電力需要の伸びがはるかに大きいことなどから、電力需要そのものが過剰なのではないかとの疑問が出され、算出根拠が不明確ではないかとの批判もなされていたが、原発を全て停止した場合の電力需給問題についても電力不足は生じないという見解も示されている(たとえば、特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所2011年5月9日プレスリリース)。そして、現実に、2011年夏の最大電力(1点ピーク)は、2784万キロワットにとどまっている。
さらに、電力供給力についても、民間が有する発電力(いわゆる埋蔵電力)を有効活用すれば問題がないとの指摘もなされているところである。
以上より、関西電力が発表する電力需給に関する数値の正確性は、どこまで確実な根拠があるか少なからぬ疑問がある。
また、冬季における電力需給問題についても問題とされているが、これまでの冬季電力需要の実績は、平成22年で2581万キロワット、平成23年で2665万キロワットであって、夏季のそれと比較すればそれほど大きなものではなく、節電によって対応することが十分可能である。
実際、2011年12月18日に、関西電力美浜原発3号機が定期点検により停止してから2012年2月20日までの期間、関西電力管内で稼動している原子力発電所は、高浜原発3号機のみであったところ、当該期間の電力供給に特段の問題は生じておらず、上記の予測が妥当であることは、事実として証明されているものといえる。
ところで、そもそも、この問題を議論するためには、国や電力会社から、電力需要と供給力の数値等を含めた正確な情報の提供が不可欠である。にもかかわらず、現在に及んでもかかる情報の提供が十分になされていないところに問題があり、かかる事態は看過できないものといえる(東京新聞2011年5月14日社説「夏の節電  見逃せぬ東電の不誠実」や毎日新聞2011年10月28日特集「安全審査機能せず」など。)。
したがって、この問題を議論するうえで必要な情報を正確に市民に公開・提供することが、まず何よりも求められている。
(3) 電力需給問題克服のための方策
なお、仮に電力供給に支障をきたす可能性があるとしても、①自家発電保有企業からの余剰電力の買い上げ、②近隣電力会社からの電力(当然、原発によって発電されたものを除く。)の融通等によって、ピーク時にも電力不足は生じないとの試算もなされており、また、欧米でとられている実効的な電力消費抑制策(ピーク時の電気料金を割高に設定する)を採用することにより、ピーク時の電力需要を減少させることが可能であるとの提言もなされているところである。
  電力需給問題の検討にあたり重要なことは、いたずらに電力不足をあおることなく、この問題に関する情報公開の徹底と正確な情報開示に基づいて公正な議論を行い、ピーク時の電力需要に対応するための方策を見出していくということであり、本問題を上記の施策に総合的に取り組むなかで解決していこうとする姿勢である。
そうした姿勢こそが、市民の生命・身体の安全、健康を第一に優先すべきわが国の正しい姿であると確信する。
なお、ドイツは、2011年6月6日、「2022年までに全ての原子力発電所を廃炉にする」旨宣言し、国家戦略として、原子力発電に依存した従来のエネルギー政策から地熱・風力・太陽光・バイオマス等再生エネルギーを中心とするエネルギー政策への転換を図っている。かような姿勢と取り組みは、わが国のエネルギー政策を検討するにあたって重要な示唆を与えるものといえる。
以上から、原発の全停止・廃止措置による電力需給問題を過大視するのではなく、原発廃止を前提としてエネルギー政策の根本的な転換を図っていくなかで克服していくことが求められていると考える。
(4) 地球温暖化問題との関連
なお、従来、原子力発電がCO2排出量の少ないクリーンエネルギーであるとの宣伝がなされてきたことから、原発の廃止によって、地球温暖化問題に対して悪影響を及ぼすのではないかとの指摘がなされることがある。かかる見解は、原子力発電が、石油・ガス・石炭等化石燃料由来の発電方法よりも、CO2の排出量が低いという点に着目したものである。
しかしながら、上記見解は、発電過程におけるCO2排出量のみを、他の発電方法と単純比較した結果を前提としている点で不正確である。原子力発電には、ウランの採掘、ウラン濃縮過程、燃料輸送過程、原発建設過程、核廃棄物処理等々の過程が不可欠であり、これら全過程についてCO2排出量を検討したとき、他の発電方法と比較して必ずしも原子力発電がCO2排出量の少ない発電方法であるとはいえない。
また、前述のとおり、地熱・風力・太陽光・バイオマス等の再生エネルギーを中心とするエネルギー政策への転換を図るならば、化石燃料由来の発電方法との単純比較は意味をなさないことになる。
以上からすると、原発の廃止と地球温暖化問題の解決とは、決して矛盾するものではない。

4  結論
以上を踏まえ、原子力発電所等について、当会は、以下のとおり結論づける。
まず、これまで見てきたとおり、福島原発事故のような原子力発電所等の大災害を確実に防止するためには、全ての原子力発電所等を速やか廃止することが最善の方策である。そして、新たな原子力発電所等の設置は、事故のリスクを増加させる一方で、現在の電力需要に対しては過剰な設備となるのであるから、少なくとも原子力発電所等の新増設は決して行うべきではない。また、現在建設中及び計画中の原子力発電所等についても、原発の新増設と同じ理由によって、その建設ないしは計画を中止すべきである。
そのうえで、事故の危険性が相対的に高い老朽化した原子力発電所等を廃止すべきである。先述のとおり、原子炉の耐用年数は30年から40年とされており、長期間使用すれば脆性劣化が起きるなど事故発生の危険性が高まる。したがって、安全確保の観点から、設置後30年を経過した原子力発電所等は順次廃炉にすべきである。
そして、現在定期点検中により停止した原子力発電所等は、運転を再開することにより事故発生の危険を増加させてはならないとの観点から、福島原発事故の原因を究明し、万全の安全対策を講ずるまでの間、運転再開すべきではない。
その余の原子力発電所等についても、福島原発事故の原因を究明したうえ万全の安全対策を講ずべきことはいうまでもないが、そのうえで、10年以内のできるだけ早い間に全て廃止すべきである。これが、二度と福島原発事故と同様の大災害を起こさないために国及び電力会社が採るべき最低限必要な措置である。
また、上記のように10年間の猶予期間を設けることにより、その間にエネルギー政策の根本的転換を図り、再生可能エネルギー中心の電力供給を行うことができるようになるものと確信する。

第5  結語
以上のとおり、当会は、福井県に設置された原子力発電所等を廃炉にすべきと考え、関係各機関に対し、頭書の意見の趣旨記載のとおりの各措置を講ずるよう求める次第である。

以  上


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