学生時代のこと、現在のこと


  皆さん、こんにちは。弁護士の椎名基晴と申します。
  学生時代のサークルと現在の活動についてお話ししたいと思います。
  私は、10数年前ころ、ボランティアサークルの一員として、当時精神薄弱者授産施設と呼ばれていた作業所のレクリエーション等に関わっていました。熱心だったかといわれると自信はありません。司法試験の受験勉強をし、長い学生生活を送っておりましたので、その中で関わるようになりました。その作業所の行事で思い出すのは、滋賀県高島町(現高島市)のガリバー旅行村での作業所のキャンプです。障がいをもち、通所されている方の年齢と体力に合わせたいろんな企画がありました。バンガロー組、テント組などに分かれて宿泊したり、あゆすくいや、キャンプファイヤー、カレー作りをしたり、などなど。1人が消火栓(水道栓?)の器具を外してしまい、水が間欠泉のように勢いよく飛んだことも今は懐かしい思い出です。

  私は、神奈川県で生まれ、小学生のときに京都に引っ越しました。現在京都で弁護士をしていますが、ずっと京都に住んでいたというわけでもありません。2年前までの数年間は、法科大学院生(ロースクール生)、司法修習生として神戸や兵庫県西宮市に住み、阪神地方で仕事に就くことを考えていました。まさか京都で弁護士になるとは思ってもいませんでした。それが京都で勤務することになり、このような文章を書いているのですから、縁とは本当に不思議なものだなあと実感しております。
  弁護士の仕事は、事務所や弁護士の個性によって様々です。私が担当している事件は、一般民事、刑事、会社関係、破産、債務整理、家事事件と万遍がないです。幅広く対応していることが特徴といえるかもしれません。私は、今年で弁護士生活2年目に入った若手ですので、依頼者その他の人の話をうまく聞き取れないことが多く、聞き直せるようになるまでずいぶん時間がかかりました。
  仕事をしていく中で、依頼者、相手方や裁判官の話をよく聞き、こちらが話すときは言葉を尽くすことが非常に重要だと感じています。どんな事件でも、示談交渉の場でも、何とか話を続けて納得してもらうことの重要性を感じる毎日です。自分がそのようなことを感じているのは、学生時代のボランティア活動の中で、その人その人がもっている個性に応じたコミュニケーションが大事だと教えてもらったからだと思います。不安でいっぱいになりながら相談に来られた人や相手方の人が、こちらの言葉によって緊張が解けていく様子を見ると、とても充実した気分になります。
  もともと高齢者に関わる仕事をしたいと思っていたからか、現在気になっているのが、「高齢化」です。事件で私が接している人でも、高齢の方の割合が非常に大きいと実感しています。先ほど挙げた様々な種類の事件も、いずれは全て高齢化を意識せざるを得なくなるだろうと予想しています。高齢化を問題視するのではなく、むしろ新たな局面として何かを創造できるのではないか、自分は弁護士として何ができるのだろうか、などと小難しいことを考えながら、日々の仕事をしています。
  家では、妻子と暮らしています。この文章を見ればお分かりいただけるように、しばしば仕事に入り込みすぎてしまいますが、ずいぶんと家族にゆるめてもらい、うろちょろと活動しております。

椎名  基晴 (2010年4月26日記)


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