もう一つのワールドカップサッカー ~弁護士ワールドカップ~
現在、世界中がワールドカップサッカーで熱狂的に盛り上がっています。しかし、実は、ワールドカップサッカーには、もう一つのワールドカップがあります。それは、弁護士ワールドカップサッカーというものです。サッカーを愛する世界中の弁護士が集まり、約10日間の熱戦を繰り広げます。弁護士ワールドカップサッカーは、2年に一度開かれるもので、今年で15回目を数え、6月にトルコで行われました。ヨーロッパから29チーム、アフリカから14チーム、アジアから10チーム、北中南米から13チームの合計66チームが参加しました。参加した選手の総数は、1500人を超え、本場のワールドカップを上回る規模の大会となりました。京都弁護士会からは、私を含めて2名の選手が出場しました。
弁護士ワールドカップは、2つのカテゴリーに分かれて行われます。クラシックとマスターという2つのカテゴリーです。クラシックというのは、年齢無制限で、プロ並の技術・体力をもった若い選手も多く参加しているカテゴリーです。他方、マスターというのは、基本的に35歳以上という年齢制限があり、どちらかといえばシニアで渋い選手の多いカテゴリーです。
今大会は、クラシックカテゴリーに44チームが参加し、マスターカテゴリーには22チームが参加しました。京都弁護士会の2名が参加している日本の関西選抜チームは、マスターカテゴリーに参加しました。関西選抜チームは、スペイン、コンゴ、メキシコ、フランス、ベネズエラ等と対戦し、1勝・1分・4敗という成績を修めました。マスターカテゴリー22チーム中21位という渋い結果です。優勝したのは、クラシックカテゴリーはイタリアで、マスターカテゴリーはコスタリカでした。
世界レベルを体験でき、非常に良い経験になりましたが、やはり世界の壁は厚かったと言い訳せざるを得ません。ヨーロッパのチームは身長も高く体格が良く、パス等も正確でした。アフリカのチームは、技術は荒削りですが、とにかくスピードがあり身体能力が高かったです。中南米のチームは、上背はないが技術が非常に高かったです。関西選抜チームには、大和魂という世界に誇るスピリットがありましたが、フィールドの中ではあまり役に立ちませんでした。
弁護士ワールドカップには、サッカー以外にカクテルパーティーなどのイベントがあります。カクテル等を飲みながら、世界中の弁護士がサッカー談義にふけって親睦を深めるというものです。アフリカのチームは民族衣装をまとってパーティーに参加していました。外国人はとにかく写真好きで、林家ペー・パー子以上に写真を撮りまくっていました。
1500人を超える弁護士が世界中から集まるというのは、弁護士ワールドカップサッカー以外にはなかなか無いと思います。サッカーボールというたった一つの道具で、世界中から弁護士が集まり、言葉も文化も異なる人々が理解し合える、それがサッカーです。試合が終われば、互いに握手して相手を称え合い、ユニフォームを交換したりします。
日本サッカー育ての親といわれるドイツ人のデットマール・クラマーは次のように述べています。
「サッカーは、子供を大人にし、大人を紳士に育て上げる。サッカーは人生の鏡である。そこには人生のあらゆるものが映る。グラウンドはサッカーだけをやるところではない。人間としての修練の場である。」と。
みなさんも、サッカーを観戦するだけでなく、ぜひプレーしてみてください!