研修の講師


1.講師の依頼
弁護士になってから、様々な分野の方から研修の講師を依頼され、法律について講義をさせていただくことが何度かありました。
私自身、人に何かを説明したり教えたりすることは嫌いではないですし、勉強にもなりますので、依頼があれば、時間が許す限り、積極的に引き受けせていただいております。

2.準備の苦労
  とは言っても、依頼があってから、当日までの準備は苦労します。
  法律というのは、具体的な生活関係を抽象化して適用されるべきルールを定めておりますので、法律をそのままお話ししたのではおそらく大多数の方が眠りの世界へ誘われることになります(退屈な授業で豪快に眠ってしまった学生時代の経験から…)。
  かと言って、具体的なケースだけをお話ししたのでは、研修を受けられた方が説明を受けたケース以外のことについては、応用がきかないということにもなりかねません。
  ここらあたりの加減が難しいところです。
  私自身は、学生時代、ケースを使いながらの授業が分かりやすく、退屈もしなかったことから、同様にケースを使ってお話しさせていただくという講義スタイルを主としてとっております。
どんなケースを使えばよく分かってもらえるか、受講者の方が直面されるケースや問題点は何か、頭を悩ませることになります。
  また、受講生が何らかの専門職の方が多いことから、実践的な内容になるようにも、気をつけています。法律は実際に使えてこそ役に立つものですから、手続き等についても出来る限り、説明させていただくようにしております。
  さらに、何かのお土産(受講後、各職場に帰られてから各職場で使えるマニュアル、チェックシートなど)をレジュメとともに配布することも心がけています。

3.ポリシー?(指名はしない・冗談は言わない)
  私は、質問をして、受講生の方を指名し答えてもらうことはしません。
  指名によって緊張感を保たせることができると言われる方もありますが、そのような恐怖政治のような講義は私の好みではありません。内容面でこそ皆さんを惹き付け、集中してもらうというのが私の方針です。
  また、冗談については受けた試しがありませんので、諦めから、冗談も言わない方針です。  ただ、事実を淡々と説明しているところで急に笑いが起こることもあり、実際のところ、笑いというのは難しいものです。

4.以上、色々書いてきましたが、講義をさせていただく度に、あれこれ不備があり、自分でも反省すること仕切りです。
  ただ、受講後のアンケートに「分かりやすかった」との感想が書いてあると、とてもうれしくなります。その一言で準備の疲れも吹き飛びます。いずれ、パワーポインターなどの今時のものを使った講義もしてみたいと思っております。

拝野  厚志(2010年12月6日記)


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