司法研修所第54期 10周年記念大会
1 そういえば、この前テレビで「偽弁護士、登録番号答えられず。」といった事件(?)を紹介していました。司法研修所を卒業して弁護士登録をすれば、弁護士バッジを貸与されますが、そのバッジの裏には登録番号が記載されています。当然、その番号を持つ弁護士は自分一人であり、弁護士登録とともに辞めるまでずっと同じ番号を使い続けるので、登録番号は自分のもう一つの名前のような気持ちとなります。ですので、弁護士が、自分の登録番号を答えられないということはあり得ないのです。
また、この番号は登録順で決まるので、その弁護士が修習生の何期生かを知る指標にもなります。そして、自分が司法修生の何期なのか、また、クラスは何組だったのか、実務修習地はどこだったのかも、「同じ釜の飯を食った」弁護士が忘れることは決してあり得ません。
この司法研修所卒業後、一定期間後に、同期の仲間が集まる機会があります。10周年記念は毎回9月に、伊豆は熱海で開催されており、私も修習54期として今年10年目を迎えたため案内がきました。今時、アタミ温泉なんて… 個人的な旅行で熱海温泉という選択肢はあり得ないのですが、10周年記念大会のように企画ものの場合は、こういうド定番というのも悪くないものです。
などと、思いながら、記念大会に参加するべく、平成23年9月3日(土)、10時56分発のひかり468号で、会場となる熱海の後楽園ホテルを目指しました。
2 同じクラスで授業を受けた仲間が、今では、単独コートを持つ裁判官になり10年目の再任時期を迎えたり、弁護士として独立して自分の事務所を構えそろそろイソ弁を雇おうか考えたりしているようで、また、当時は独身者が多かったのですが、だいたい2人くらいの子持ちになっており、10年という歳月を改めて感じざるを得ませんでした。
当日は、台風12号が四国、岡山を直撃しており、飛行機や新幹線が特に西日本で運休していたのですが、それでも、半分くらいは無事参加できました。熱海でも、ホテルの外は暴風雨で、防波堤に打ち寄せる波も白い波頭を立てていましたが、いったんホテルの中に入れば、敷地に遊園地もあるような巨大ホテルだったので、雨風は全く気になりません。
午後2時から全体懇親会をした後は、浴衣に着替え、クラス別で担当教官も交えての宴会に移り、近況などを報告しあいました。ちなみに研修所の教官というのは大概いわゆる出世コースの人達なので、教官を勤めたあとは、検事正を歴任したり、地裁所長になっていたり、東京の弁護士会の会長候補になっていたり、なかなか華々しいものがありました。そういえば、当時の司法研修所所長は、その後、第16代最高裁判所長官に就任していたはずです。
最後の部屋飲みでは、完全に研修所の寮の部屋飲みの状態となり、私の記憶も1時過ぎくらいで途切れてしまいました。
3 10年後~
この10周年は、熱海で行われましたが、20周年、25周年、30周年と、今後もこの集まりは続いていくようです。20周年は確か京都で行うと聞いてますが、その頃には、自分の年も50歳手前になっています。年齢を考えると恐ろしい気がしますが、自分の年齢・キャリアに恥じない仕事をしなければ、10年なんてあっという間という気持ちにもなります。
10年という物差しをあててみて、人生の「来し方、行く末」というものをふと考えてみるというのも悪くないな、と感じた1泊2日の旅行でした。
ちなみに、駅前の仲見世商店街というおみやげ物屋街では、ひたすら「温泉まんじゅう」が売られており、駅ナカのキオスクでも「冷凍ミカン」が燦然と輝いていましたので、それらを片手に、ああ…アタミ温泉と勝手に浸りながら、帰りのこだま641号に乗り込んだのでした。