ほうれん草
ほうれん草に,はっぱがギザギザのものと丸いもの,二つの種類があるのを知っていますか?
ギザギザの方は,日本のほうれん草で,丸い方は西洋のほうれん草と聞いたことがあります。
スーパーなどで見かけるのは,ほとんど丸いほうれん草ですね。
私の実家は,いわゆる八百屋さんで,小さい頃から野菜をいっぱい食べさせられました。ブロッコリーが売れ残れば,皿一杯の茹でブロッコリーを,ニンジンが売れ残れば,皿一杯のニンジンのグラッセを食べていました。ほうれん草も一杯食べました。
小学校高学年の頃に食べたほうれん草に,強く印象に残っているものがあります。それは,祖母が畑で作ったもので,お浸しだったのですが,そのほうれん草は,とても甘く,本当に美味しいと感じました。
大人になって母に聞いたのですが,このほうれん草,なんと葉がギザギザのほうれん草だったのです。けれども,スーパーで探しても,葉がギザギザのほうれん草はみつかりません。なぜ,ギザギザのほうれん草は,滅多に見つからないのだろう???
テレビで見たのですが,昔は,葉がギザギザのほうれん草が多かったようです。たしかに,ギザギザのほうれん草は,甘みも強く,味もしっかりしているのですが,その反面,臭いが強く,大きさも小さく,形も悪いと好まれなかったようです。そこで,ほうれん草に対する苦手意識を克服してもらおうと,品種改良等をして,葉っぱの丸いほうれん草が店頭で売られるようになったとのことでした。
この話を聞いたとき,ほうれん草は,皆に好まれるようになるために,個性をなくしたのだな~,と少しさみしくなりました。
最近,「昔の水菜は,もっと苦かったような・・・? ネギも,もっと味が濃かったような・・・?」と感じることがあります。
野菜が変化したのか,私の舌が大人になって,鈍感になっただけなのか。
いずれにせよ,毎日食べる野菜ですから,個性的であって欲しいと思います。