弁護士会ブログ

バッジのはなし


「弁護士」という資格を得て、「先生」と呼ばれること半年余り。
最初は「先生」と呼ばれることが、嬉し恥ずかし、何よりくすぐったい。という感じで、「先生と呼ばないで!」と、悶えていましたが、最近はようやくそれにも慣れて来ました。

しかし、実は未だに「弁護士バッジを胸に付けること」が恥ずかしいのです。

弁護士バッジは、ひまわりの16枚の花弁の真ん中に天秤が描かれている金色のバッジです。テレビドラマにもよく登場するので、ぱっとデザインが分かる人も多いかもしれません。
ちなみにバッジの裏には、各弁護士の登録番号が記載されていて、私も最初に手にした時には、「これが私の弁護士バッジ!!」と感動したものです。こっそり自撮りで記念撮影もしました。

しかし、この弁護士バッジはスーツの襟に付けていると、とても目立ちます。
サラリーマンが社章をスーツの襟に付けている所をよく見かけますが、おそらく弁護士バッジは、一般的な社章より2回りくらい大きく、5倍くらいの厚みがあります。
しかも、新人の弁護士バッジは金メッキで、そりゃあもう綺麗にピカピカ光るので(これに対して、ベテラン弁護士のバッジはメッキが落ちて銀色になっていることが多い)、黒いスーツの襟なんかに付けようものなら存在感抜群!

その存在感ゆえに、自意識過剰な私からすれば、弁護士バッジを付けて街を歩いている時の気分は、「どうも!弁護士です!」というたすきを掛けて歩いているようなものです。
しかし、それはどうにも恥ずかしい。
電車内で口を半分空けて居眠りをしている時も、
仕事帰りに立ち寄ったコンビニで、チョコモナカを購入するか、スイカバーを購入するか、真剣に悩んでいる時も、
本屋で恋愛漫画を購入する時も、
分かる人には、私が弁護士だと分かってしまうんだと思うと、なんだか落ち着かなくて、恥ずかしくて、ソワソワしてしまうのです。

自己分析してみると、このソワソワの原因は、自分が理想とする弁護士像と、現実の自分とのギャップにあるような気がします。
自分が理想とする弁護士は、すごくカッコいい訳です。電車内でもキリっとしていて、100円足らずのアイスクリームの選択で真剣に頭を悩ませることもなく、恋愛漫画などという軟派な趣味には手を出さない。知性と理性が服を着て歩いて居るような弁護士が、おそらく自分の理想なのです。
ところが、現実世界の自分がその弁護士像について行けないので、私は弁護士です!という印(=バッジ)を付けて歩くのが恥ずかしい。恥ずかしくて堪らない。

世間に流布されている弁護士のイメージと、実際の弁護士の仕事は全く異なっているという話はよく耳にしますが、何のことはありません。弁護士である私自身が、自分の持つ理想的な弁護士像に一番振り回されてしまっている訳です。

しかし、恥ずかしい恥ずかしいと悶えていては、いつまで経ってもバッジが金ぴかのままなので、なるべく早くバッジの輝きに堪え得る弁護士になれるように精進したいと思います!
でも、きっと電車内で居眠りはするし、アイスクリームも買い食いしてしまうし、恋愛漫画を読むことも止められないんだと思いますが。

木下  由李佳(2014年8月11日記)

アクセス

もっと詳しく

〒604-0971
京都市中京区富小路通丸太町下ル

京都弁護士会動画チャンネル