司法修習


  私の一つ前の回(バッジのはなし)を書いている木下弁護士は、神戸の同じ班で研修(司法修習)を受けていた同期の女性です。普段は依頼者から「先生」なんて呼ばれている彼女も、同期の私にとってはディズニー大好きなお茶目な友達です。彼女には数々の伝説があり是非この場でも披露したいのですが、さすがに怒られそうなので自粛します。

  この司法修習という研修は、司法試験に受かった約2000人が一斉に受けるもので、大体各都市70名ずつの枠で全国各地に配属されます。その70人が、更に4班に分けられて、修習がスタートするわけです。
  出身大学などもバラバラの初対面の人間同士が、1年間一緒に研修をするわけですから、最初は皆緊張して打ち解けるまで一定の時間はかかりますが、同じ課題にチャレンジしたり、寮で2ヶ月間衣食を共にする内に、本当にかけがえのない仲間・同志としての繋がりが出来上がります。

  弁護士になれば、全員が違う職場に就職し、職場環境も様々、扱う事件も様々となるのですが、弁護士という職種それ自体は皆同じわけです。ですから、同期会を開けば話題は尽きませんし、何より1年間共に修習で過ごした結束は本当に固く、同期会出席率も非常に高いです。

  私は6年間男子校に通っており、この男子校の結束というのも、むさ苦しくも大変固いものがあるのですが、司法修習の同期の結束というのは、それに匹敵するものがあります。性別関係なく、年齢も関係なく、同期という一括りで仲間です。こんなことは他の職種では中々ないことだと思います。

  弁護士の仕事というのは、私の周りの同期達を見ても思いますが、本当に体力勝負のハードワークです。しかし、この司法修習という素晴らしい時間は、司法試験に合格しないと味わえません。昨今、法科大学院離れなどが進んでいると聞きますが、このブログをのぞいたそこの中高生や大学生の皆さん、又は社会人の皆さん、司法修習を経験してみたいという不純な動機でも良いじゃないですか、法律家を目指してみませんか?他の職種では絶対に味わえない経験、そしてかけがえのない仲間達に出会えますよ。司法修習が一生続けば良いのに、と、絶対思うはずです。

松村  智之(2014年12月22日記)


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