意見書

「亀岡駅北土地区画整理事業及び南丹都市計画公園事業についての意見書」(2015年3月26日)


2015年(平成27年)3月26日

京都府知事    山  田  啓  二  殿
亀岡市長      栗  山  正  隆  殿

京  都  弁  護  士  会

会長  松  枝  尚  哉
  

亀岡駅北土地区画整理事業及び南丹都市計画公園事業についての意見書


第1  意見の趣旨
1  京都府及び亀岡市は、南丹都市計画事業亀岡駅北土地区画整理事業及び南丹都市計画公園事業について、2013年(平成25年)台風18号など近時の気象データに基づいた浸水シミュレーションを実施して、これらの各事業予定地及びその周辺地域に浸水被害が生ずることがないことを検証し、仮に浸水被害が生ずるおそれが認められる場合には治水対策を見直すべきである。
2  前項について、浸水シミュレーションの結果を踏まえて、各事業予定地及びその周辺地域に浸水被害が生ずるおそれがないこと及びその治水対策について、府市民その他関係者に対して、十分に説明すべきである。
3  京都府及び亀岡市は、アユモドキの保全対策についての実証実験を十分に実施した上で、その実施状況及び結果を府市民に説明すべきである。
4  京都府及び亀岡市は、工事中及び事業終了後、アユモドキの生息・生育状況についてモニタリングを継続するとともに、その結果を適切に公表し、生息・生育状況に悪影響が生じた場合には、工事着手後であっても計画を見直し、適切に工事内容に反映させるべきである。

第2  意見の理由
1  本意見書を提出するに至った経緯
JR亀岡駅北側において予定されている、南丹都市計画事業亀岡駅北土地区画整理事業(以下「駅北事業」という。)および京都スタジアムの建設を前提とした南丹都市計画公園事業(以下「公園事業」という。またこれらを併せて「本件各事業」という。)による当該各事業地及びその周辺への治水の影響、アユモドキの生態系への影響について、周辺住民や市民団体の懸念する声を受けて、当会は以下のとおり調査を実施した。
まず、上記各事業による治水及びアユモドキへの影響について、2014年(平成26年)7月7日に亀岡市の関係各課、同月18日に京都府スポーツ文化環境部振興課に対し聴き取りを実施した。その結果、治水対策についてなお不明な点があったことから、同年11月28日に京都府建設交通部河川課と都市計画課に対して聴き取りを実施した。
上記聴き取りにおいて、亀岡市と京都府は、京都スタジアムの施工について治水への悪影響がないように配慮していること、駅北事業については1998年(平成10年)に日吉ダムが完成し、2009年度(平成21年度)に、10年に1回確率降雨に対応する改修(以下「当面計画」と言う。)が完了したことから、治水面に対して配慮していると回答した。また、アユモドキについては京都・亀岡保津川公園内には、アユモドキなどの生息生育環境を保全するための共生ゾーンを整備する計画を立てるなどの配慮をしているとのことであった。
しかし、桂川の河川改修については、現在、30年に1回確率降雨に対する改修(以下「暫定計画」と言う。)の実施段階であり、暫定計画及び100年に1回確率降雨に対応する改修(以下「基本計画」と言う。)に従った狭窄部(保津峡)の開削など、今後実施すべき課題が多い。
また、アユモドキについては、現在の生息地から共生ゾーンに移行させる方法論は明らかでなく、アユモドキの個体群の保全対策に関する実証実験が不十分であることも判明した。
そこで、当会は、治水対策やアユモドキの生態系の確保に関する検証等が不十分であると考え、本意見書を提出することとした。

2  本件各事業予定地の治水について
(1) 本件各事業予定地の地勢と河川整備の状況
本件各事業の予定地周辺には、いわゆる霞提が集中している。
この霞提は、上流側に切れた構造となっており、洪水が生じたときには上流に向かって開口した部分に緩やかに逆流させることで、急激な河川の氾濫を防ぐ役割を果たしてきたものである。例えば、2013年(平成25年)18号台風においても、本件各事業の予定地周辺は文字通り水浸しとなって、周辺の市街地への浸水被害を減少させる役割を果たした。いわば浸水を前提とした環境にあることから、本件各事業予定地周辺は、長らく開発行為がなされなかった。
桂川の治水に関しては、淀川水系工事実施基本計画(1971年(昭和46年))において、ダムによる洪水調節と洪水流下の支障となっている狭窄部(保津峡)の開削を前提とした治水対策、河川改修が予定されている。そして、改修については、基本計画(100年に1回確率)、暫定計画(30年に1回確率)、当面計画(10年に1回確率)の事業実施計画が策定されている。
しかし、未だ当面計画を達成したにすぎず、保津峡狭窄部の開削はなされておらず、十分な治水安全度が確保されているとは言い難い状況にある。実際に、日吉ダム完成後も、2013年(平成25年)までの16年間で、本件各事業予定地に大きな浸水被害が2回発生(概ね8年に1回)している。
(2) 駅北事業による浸水被害の可能性
前述の聴き取りにおいて亀岡市及び京都府は、駅北事業予定地を盛土することで洪水被害を回避すると説明した。
しかし、開発行為による影響について京都府に確認したところ、農地がアスファルトなどの舗装路になり路面が硬化することや、浸透率が大幅に低下することで、流速が早くなるなど、周辺に対する治水の影響の可能性があるとの説明があった。しかも駅北事業予定地が、元々は遊水機能を果たしてきた地域であることからすれば、洪水に際しては氾濫した河川の中に孤立する可能性があると考えられ、盛土によって河川氾濫の危険が除去されるとする説明には大きな疑問が残る。
(3) 駅北事業についての法的な問題点
駅北事業予定地周辺は、2007年(平成19年)の南丹都市計画区域区分の変更において特定保留フレーム(土地区画整理事業の実施等、計画的な市街地整備が確実になった段階で、市街化調整区域から市街化区域に編入を図る区域)に設定され、2013年(平成25年)11月に市街化編入された。
都市計画法施行令第8条第2号は、「おおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として市街化区域に定める土地の区域は、原則として、次に掲げる土地の区域を含まないものとすること」として、「ロ  溢水、湛水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」と定めている。
駅北事業予定地は、前述のとおり、現時点において治水が十分に確保されたものとは到底いえない。したがって、2014年(平成26年)1月24日に京都府が駅北事業予定地を市街化区域に編入した判断は適切とはいい難い。
また、2014年(平成26年)6月6日に行政庁である亀岡市長は同年5月2日付け土地区画整理組合の設立申請を認可したが、土地区画整理法は、第21条第1項で、「組合設立の認可申請があった場合において、同項各号のいずれかに該当する事実があると認めるときは、その認可をしてはならない」とし、同項第3号は、「市街地とするのに適当でない地域」と規定している。したがって治水が十分に確保されているかが不明な現時点において、組合設立を認可した判断が適切であったかについても、大きな疑問が残る。
(4) 京都スタジアム建設及び公園事業による浸水被害への影響
2014年(平成26年)5月12日、亀岡市はスタジアム建設を含む「京都・亀岡保津川公園」の都市計画を決定した。
亀岡市及び京都府は、治水対策について、京都スタジアムの盛土は最低限にし、駐車場や共生ゾーンの部分は盛土をせずに浸水させ、地下には浸水時の貯留ピットを設けることで、京都スタジアムの建設をはじめとする公園事業により周辺地への洪水被害を増悪させることのないようにするとしている。
しかし、駅北事業と同様に、公園事業においても、盛土や駐車場施設等により、浸透率が大幅に低下することで、流速が早くなるなど周辺に対する治水への悪影響が懸念される。また当該地が浸水常襲地域であることからすれば、果たして、公園事業の施工前後で水量のプラスマイナスをゼロにするとの計画をもって、治水対策として十分かという根本的な疑問がある。
(5) 治水安全確保の責任主体が不明確であること
京都府と亀岡市によれば、河川の管理者は京都府であり、公園事業については、亀岡市が都市計画公園設置者として用地を確保し、その一部に、京都府が事業主体として京都スタジアムを設置するとのことである。
また、駅北事業については、2014年(平成26年)1月24日、京都府が市街化調整区域を市街化区域へと編入し(京都府告示第25号)、同日、亀岡市が土地区画整理組合を設立認可した(亀岡市告示第8号)が、土地区画整理事業自体は同組合が主体となるため、亀岡市は施工区域内では間接的な補助者に過ぎず、浸水被害対策の主体は土地区画整理組合であるとのことである。
このように本件各事業は、その責任主体が分断されているが、京都府と亀岡市は連携して、本件各事業の安全性を確保すべきである。特に駅北事業については、治水への影響が懸念されるにもかかわらず、亀岡市の関与は補助的にとどまるものであり、亀岡市による助言・指導の実効性が確保されない限り、住民らの浸水被害に対する懸念が払拭されることはない。
(6) 2013年(平成25年)18号台風について
日本では、2012年(平成24年)から2014年(平成26年)にかけて台風・集中豪雨が連続して生じた。しかし、かかる近時の傾向を、浸水シミュレーションのデータとして取り込むべきか、異常値として外すべきかについて、京都府は未だ結論を出していない。
しかし、2013年(平成25年)18号台風で現実に被害が生じていること、いったん洪水が生じた場合の人の生命・身体、財産に対する激甚な損害が生じること、その損害は不可逆的な性質を有することからすれば、予防的な観点から近時のデータを元にシミュレーションを行うことは不可欠である。
(7) 水害に対する住民意見
亀岡市においては、「京都・亀岡保津川公園」都市計画素案について、2013年(平成25年)9月2日から同年9月30日までパブリックコメントを実施したが、これに寄せられた106の意見のうち、11の意見は本件事業予定地周辺が水害常襲地であることに対する懸念を示し、治水対策を求めるものであった。また、水害には限定しないものの、上位計画に対する不整合を指摘するものや、環境保全や地域の安全対策を具体的に示した上で、計画を進めるべきとする意見が3つあった。
このように、少なくない市民らが本件各事業による浸水被害生じることについて懸念を示し、治水対策を求めている。
(8) 結語
これまで述べたとおりの状況からすれば、浸水被害は市民の生命身体・財産にかかわることであり、本件各事業を認可し、又は治水に対する技術指導する立場にある京都府や亀岡市としては、2013年(平成25年)台風18号など近時の気象データに基づいた浸水シミュレーションを実施して、これらの各事業予定地及びその周辺地域に浸水被害が生ずることがないことを検証し、仮に浸水被害が生ずるおそれが認められる場合には治水対策を見直すべきである。また事業実施にあたっては、浸水シミュレーションの結果を踏まえて、各事業予定地及びその周辺地域に浸水被害が生ずるおそれがないこと及びその治水対策について、府市民その他関係者に対して、十分に説明すべきである。

3  本件予定地のアユモドキ保護についての問題点
  (1) 生物の多様性確保・良好な自然環境保全の必要性
我が国では、平成4年に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより、生物の多様性を確保するとともに、良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的として「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(以下「種の保存法」という。)が制定された。
そして、同法に基づき定められている「希少野生動植物種保存基本方針」の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する基本構想」においては、野生動植物の種を圧迫している状況を改善するために、生物学的知見に基づき、絶滅のおそれのある野生動植物の種の個体等の捕獲、譲渡し及び生息地等における行為を規制する等の措置を講ずることや、その個体の生息又は生育に適した条件を積極的に整備し、個体数の維持・回復を図るために、生息・生育環境の維持・整備等の事業等を推進することが定められている。
また、我が国は、1993年(平成5年)に「生物多様性条約」を締結し、その後、1995年(平成7年)に「生物多様性国家戦略」、2002年(平成14年)に「新・生物多様性国家戦略」、2006年(平成18年)に「第三次生物多様性国家戦略」がそれぞれ策定され、2008年(平成20年)には、「生物多様性基本法」を施行した。
    「生物多様性基本法」の基本原則(第3条)には、①生物の多様性の保全は、野生生物の種の保存等が図られるとともに、多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて保全されるべきこと(第1項)、②生物の多様性の利用は、生物の多様性に及ぼす影響が回避され又は最小となるよう、国土及び自然資源を持続可能な方法で利用すべきこと(第2項)、③生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、科学的知見の充実に努めつつ生物の多様性を保全する予防的な取組方法及び事業等の着手後においても生物の多様性の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該事業等に反映させる順応的な取組方法により対応すべきこと(第3項)、④生物の多様性の保全及び持続可能な利用は、長期的な観点から生態系等の保全及び再生に努めるべきこと(第4項)が規定されている。
  (2) 京都府の主な取り組み
京都府では、2002年(平成14年)に京都府レッドデータブックを発刊し、府内に生息・生育する野生生物(約1万1千種)のうち約800種が絶滅寸前種又は絶滅危惧種であるとした。
2007年(平成19年)には「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」(以下「京都府野生生物保全条例」という。)を公布し、2008年(平成20年)4月1日から全面施行している。
同条例では、指定希少野生生物の指定(第9条)やその取扱の規制(第13条・第14条)、生息地等保全地区を指定した上で区域内の土地の改変等を規制することができることになっている(第23条~第26条)。
  (3) アユモドキについて
アユモドキは、日本固有種で、文化財保護法に基づく国指定の天然記念物であり、現在では京都府八木町付近の桂川水系の用水路と岡山県旭川水系での個体群が知られるのみで、それ以外の分布地での個体群は壊滅状態と考えられている。環境省レッドデータブックカテゴリー(1997)では、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの(絶滅危惧IA類)に区分され、京都府レッドデータブック(野生生物種・2002)では、京都府内において絶滅の危機に瀕している種(絶滅寸前種)に区分されている。
また、亀岡市のアユモドキの生息する灌漑用水路は、京都府の京都の自然200選選定事業によって、「京都の自然200選  動物部門」にも選ばれており、アユモドキは地域の象徴的存在となっている。
(4) 亀岡市の主な取り組み
2012年(平成24年)3月に策定された第2次亀岡市環境基本計画では、自然環境の施策の方針として「生物多様性の維持・向上」が掲げられ、目標として外来生物対策を推進し、アユモドキをはじめとする希少な動植物などの保護保全に努めるとしている。
そして、同基本計画における先導的施策の1つに「いきものが棲み続けるまちづくりプロジェクト」を掲げ、生物多様性を維持することを目指し、施策の内容として、天然記念物アユモドキの保護保全、諸開発と生物多様性保全の調整等が挙げられ、推進方法として、亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会を中心としたアユモドキの保護保全事業を推進すること、諸開発とアユモドキを始めとする生物多様性保全の円滑な調整を図ること等が述べられている。
また、2014年(平成26年)3月に策定した「亀岡市緑の基本計画」の分野別構想(全体計画)には、「環境保全及び生物多様性」の分野の方針として、山並み・農地や河川など豊かな『緑』の自然環境の保全を図ること、様々な貴重種が生息する自然環境を保全し、生物多様性の確保に取り組むことが挙げられ、施策として、桂川(保津川)などの河川とため池の保全と活用、新たな都市基幹公園における生物多様性への配慮が挙げられている。
そして、地域別構想においては、桂川及びその支川では、「保津川かわまちづくり計画」に基づき、多種多様な生物が生息できる豊かな水辺の自然環境の保全を図るとされている。
京都・亀岡保津川公園予定地は、亀岡市緑の基本計画において都市基幹公園に位置付けられているものであり、まさに生物多様性への配慮を定めている。
このように、亀岡市では、生物多様性の維持・向上を目標に、アユモドキをはじめとする貴重な動植物の保護活動に努め、諸開発と生物多様性保全の円滑な調整を図ることを先導的施策として位置付けている。
(5) アユモドキの保全対策の検証が未了であること
駅北事業地・京都・亀岡保川公園予定地及びその周辺には、アユモドキの生息地が含まれており、これらのアユモドキの生息地域は、京都府野生生物保全条例に基づく生息地等保全地区に指定されていないため、同条例による規制は及ばない。
      亀岡市は、京都・亀岡保津川公園内に共生ゾーンを設けることで、アユモドキなどの生物の生息生育を保全しようとしている。
この共生ゾーンにおける保全対策については、亀岡市都市計画公園及び京都スタジアム(仮称)に係る環境保全専門家会議で協議がなされているが、共生ゾーンにおけるアユモドキの産卵場や仔魚期の生育場の実証実験は、2014年度(平成26年度)に実施されているものの、現時点でも結果の分析作業まで至っていないのが現状であり、現時点で予定されている共生ゾーンでの保全対策が適切であるという確証は得られていない。また、共生ゾーンを設けること以外に、市民に対し、具体的な保全対策方法について説明されていない。
(6) 他に提出されている意見書
アユモドキの保全問題については、環境大臣からも意見が出されている。
環境大臣は、2014年(平成26年)1月21日に南丹都市計画に対する意見を出し、その中で、国内希少野生動植物種であるアユモドキ等の生息環境を保全するための環境保全措置が最善のものとなるよう、①専門家会議の意見を実施計画に反映するとともに、反映状況を適切に公表すること、②実施計画が策定されるまで駅北地区及びその周辺の自然環境の保全に努めること、③事業実施による地下水等の周辺環境への影響に配慮すること、④事業の事業者に対し、専門家会議の検討状況及び検討結果について十分に説明し、事業内容に反映させるとともに、適切に実施すること、⑤工事中及び事業後にモニタリングを実施するとともにその結果を適切に公表すること等を求めている。
上記環境大臣の意見は、計画立案段階から事業実施までの段階において、専門家の意見を参考にしながら、影響調査を行い、その結果を公表すると同時にその結果を真摯に受けとめ、適切に事業計画の修正を求めるもので、生物多様性基本法の趣旨に適した内容となっており妥当である。
(7) 結語
京都府は、アユモドキを絶滅寸前種に指定し、亀岡市は、アユモドキを中心とした生物多様性の維持・向上を先導的な施策として掲げている。
京都・亀岡保川公園予定地には、アユモドキなどの生物の生息生育環境を保全するための共生ゾーンを設けるという計画になっているものの、共生ゾーンでアユモドキの生息・生育が維持できるのか明らかにはなっていない。
生物の多様性は、微妙な均衡を保つことによって成り立っており、一度損なわれた生物多様性を再生することは困難であることから、保全対策方法自体が不適切であれば、アユモドキを絶滅させてしまうおそれもある。
そこで、京都府及び亀岡市は、保全対策の実施自体が大きなリスクを伴っていることを認識し、アユモドキの実証実験を十分にした上で、府市民に対し、共生ゾーンを設置する前に、具体的な保全対策の内容とその実効性について十分に説明すべきである。
また、仮に、理論上での保全対策が万全であっても、現実的には当初の予測がはずれる事態が起こり得るため、少なくとも現在と同程度の規模でアユモドキが生息・生育できることを確認できるまで、工事着手後もモニタリングを継続し、変更が必要であることが判明すれば、工事内容の修正を検討すべきである。
以  上


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