走りたい


  巷ではマラソン、ジョギング、ランニングといったものが大変なブームとなっているようである。
かくいう私も「走りたい」願望が出てきている。
  しかし、私がやりたいのはジョギングやランニングではない。
  短距離走である。
  
  先日、電車に乗り遅れそうになったので全力で走ったのだが、「あれっ、あれっ」となってしまった。
  何が「あれっ」なのかというと、思い通りに足が動かないのである。気持ちは前へ前へとなるのに、足が気持ちに付いていかないのだ。
由々しき事態である。
  学生の頃、こうなればおじさんの仲間入りかなと思っていた領域に足を踏み入れようとしているのである。

この話を聞いて単に運動不足ではないかというご意見もあると思うが、実は週に2日程度はスポーツをしており、また、今では単に「お風呂行ってくる」と言って出かけるようになったスポーツジムも、少し前まではそこで筋トレやランニング、エアロバイク等をこなしていたのである。
  このことから察するに、いつまでも自分の思い通りに全力で走ることができるためには、全力で走るための訓練を日頃から行わなければならないのである。

  そこで、短距離走を始めたいのだが、そこにはいくつかの障壁がある。
  まず、外で走ろうにも、外で短距離を往復で全力疾走している人など見かけたことがなく、変な人だと思われないだろうかという不安である。
かといって、ジムなどの施設にはランニングマシン等の長距離走用のマシンは数あれど、短距離走用のマシンがあるところは皆無であるから、やるなら外でやるしかないと考えられる。
  次に、モチベーションをどのように保つかという問題である。すなわち、何事も続けていくためには目標設定が必要で、短距離走も続けるためには目標タイムを設定する必要があると思うが、コンマ1秒を争う短距離走のタイムをどうやって自己計測するか、そもそも100メートル等の距離をどうやって正確に測るのかという問題が存在する。
  正確なタイム計測なくしてモチベーションは維持できないと考えられる。
  
  他にも問題は多々あるが、これらの障壁により、短距離走を始めたいと思うようになってから早1年が経過している。
  気候的にも暖かくなり、花粉症からも解放されつつあるこのタイミングで始めなければ、また先延ばしになってしまいかねない。
そこで、たとえ変な人だと思われようとも、モチベーションが保てずすぐに挫折することになろうとも、とりあえず走り始めるために、まずは短距離走用シューズの購入に踏み切ろうと思う。

中島  弘嗣(2015年6月1日記)

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