裁判の話
一昔前から、弁護士や検事を題材にしたテレビドラマがよく放映されています。代表的な作品を挙げれば、髪の毛を七三分けにして、法廷でブラックジャックの漫画を読む弁護士のドラマや、ダウンジャケットを着こなし、バッチを首から下げている検事のドラマ等が最近ではヒットしていました。あのようなドラマで描かれるシーンは、当然ながら法廷での熱い舌戦がメインとなります。そこで、実際に弁護士がどのような仕事をしているのか、はなはだ未熟者の私ではありますが、まずは私の日頃の業務についてお話したいと思います。
まず、私の仕事には大きく分けて、①裁判をしている時間、②依頼者との打ち合わせ、書面作成等の時間、③裁判所までの移動時間があります。これらの比率を考えると、私の場合は、裁判をしている時間が1割ほど、書面作成等の時間が5割ほど、裁判所への移動時間が4割ほど、というような感じがします。(あくまで私個人の話です。これが一般的なのかどうかは、私にもわかりません。)
つまり、私の場合、ほとんどの時間を書面作成と移動時間に使っていることになります。片道2時間かけて裁判所まで行き、裁判が5分で終わるなどというのはよくある話です。実際の仕事に忠実に、書面作成と移動時間にフォーカスを当てたドラマ等を作成すれば、その視聴率は言うまでもない話になるでしょう。
上に書いたように、私はこの半年間で、遠方の裁判所へ行く機会が多かったと思います。そこで、以下では、私の半年間という短い経験の中でも、印象に残っている裁判所をトップ3という形式で発表したいと思います。
まず第3位は、神戸地方裁判所姫路支部です。
その理由としては、やはり姫路城の存在が大きいです。姫路城といえば、白鷺城との別称があることから分かるように、真っ白のお城です。その姫路城が、姫路駅から遥か遠くに見えるのです。遥か遠くにありながら、その白いお城は大変輝いて見えます。これは一見の価値があるでしょう。
ただ、姫路支部の残念なところは、基本的に周辺に食事をする場所がないのです。加えるならば、やや遠すぎる感も否めません。この辺りが姫路支部が第3位に甘んじている最大の要因でしょう。
姫路支部周辺で食事の美味しいところがあれば、どなたか私に教えてください。
次に第2位ですが、神戸地方裁判所です。
その理由としては、なんといっても建物が非常に美しいということが大きいです。ステンドグラスのようなものがあり、正面には大階段があり、なんともいえない美しさです。
さらに、裁判所の周辺にも、中華街があったり、神戸港があったりと周辺環境も抜群です(裁判所からは少し遠いですが)。
そして堂々の第1位は、やはり東京地方裁判所です。
なんだ結局1位は東京かよ、とお思いの方も多いとは思います。しかし、やはり流石は日本の首都です。
まず、なんといっても裁判所自体の規模が大きいです。一般の傍聴人は手荷物検査がありますが、弁護士等法曹関係者はバッチを付けていれば手荷物検査なしで入れてくれます。さらに、裁判所の横にはレンガ造りの法務省等があり、日本の中枢感を醸し出しています。
さらに、東京駅には食事をする場所も豊富にあります。大きく分けて、八重洲口と丸の内口がありますが、広すぎて未だにその全容は明らかになっていません。さらにさらに、いわゆるスイーツというものも流行の最先端が揃っています。お土産を買って帰っても喜ばれることでしょう。
さて、ここまで、印象に残っている裁判所をトップ3という形式で発表させていただきましたが、上位にランクインした理由を見返してみると、食事や観光などがほとんどでした。このように、遠方での裁判のついでに、その土地での食事やプチ観光を楽しめるのも弁護士としての仕事の魅力の一つかもしれません(あくまで食事や観光は裁判のついでということを強調しておきます)。