「京都府議会の『法曹人口政策の早期見直しと法曹養成制度の抜本的見直しを求める意見書』可決を受けた会長談話」(2015年7月23日)


  2015年(平成27年)7月7日、京都府議会の平成27年6月定例会において、「法曹人口政策の早期見直しと法曹養成制度の抜本的見直しを求める意見書」(以下「本意見書」という。)が全会一致で可決された。

  本意見書においては、早急に合格者を削減して、就職問題を解決しない限り、既に生じている法曹志願者の減少は一層進む懸念があること、及び「多様な人材を法曹界に」という司法改革の理念の実現をかえって困難にし、市民の権利保護にもとる結果を招く恐れがあることが指摘されている。

  そして、京都府議会は、本意見書の結論として、国に対し、「国民の利益を適正に確保するため、適正な法曹人口となるよう、法曹養成制度全体を抜本的に見直すよう強く要望する」旨を記載している。

  同様の意見書は、最近では、去る3月24日に神戸市会において全会一致で可決されたほか、11の県議会(北海道、宮城、群馬、埼玉、千葉、長野、静岡、富山、三重、兵庫県、佐賀)や多数の市町議会において可決されているが、関西の府県議会では二例目であり、その意義は大変大きなものである。

  当会は、本意見書が、京都府議会において全会一致で可決されたことを高く評価する。

  また、当会は、去る5月28日に「法曹養成制度の改善を求める総会決議」を行ったが、同様の内容の本意見書が京都府議会にて可決されたことは、当会の意見が市民の意見に合致するものであることを強く確信させるものである。

  当会は、本意見書を高く評価するとともに、府民の人権擁護と社会正義実現のために本意見書を可決させた京都府議会に対して敬意を表するものである。

  今後当会は、京都府議会の本意見書可決を踏まえて、上記当会総会決議の内容を実現するため、更なる努力をする決意であることを表明する次第である。

2015年(平成27年)7月23日

京  都  弁  護  士  会

会長  白  浜  徹  朗

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