「2015年(平成27年)司法試験最終合格発表に関する会長声明」(2015年9月17日)


2015年(平成27年)9月8日、本年の司法試験の最終合格者が発表された。1,850名の新しい法曹の仲間に入ろうとする人の誕生を心から歓迎し、今後の司法修習を通じて法律実務家として大きく成長されることを期待する。
司法が国民の権利義務や社会正義に大きく関わるものである以上、司法を担う法曹の質の向上は、国民からも望まれているところであり、当会としても、司法修習実務の充実などにより、今後も質の高い法曹養成に取り組んでいく所存である。
しかし、司法試験合格者数の急増が現状の法曹需要に適合しておらず就職難を招き、法曹志願者数の減少という事態まで引き起こしていることからすれば、司法試験合格者数の大幅な削減が速やかに図られるべきであった。当会は、本年5月の総会において、司法試験合格者数が法曹志願者数の減少という事態を引き起こしていることに鑑み、司法試験合格者の大幅な削減を求める決議を採択した。政府が設置した法曹養成制度改革推進会議も、本年6月30日に決定した「法曹養成制度改革の更なる推進について」において、当面の司法試験合格者数を、質の確保を前提としつつ「1,500人程度は輩出されるよう、必要な取組を進め」ると提言し、合格者数の削減を含意していた。
ところが、本年の最終合格者は1,850人となり、昨年の1,810人を上回り合格者が増加した。本年の合格者数が、当会の決議だけでなく、上記提言にすら反して増加したことは遺憾である。
当会は、次年以降、司法試験合格者数が大幅に削減されることを求める。

2015年(平成27年)9月17日

京  都  弁  護  士  会

会長  白  浜  徹  朗



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