京都のお祭り


私は司法修習の時に京都へ移り住みました。住み始めて気づくことは京都にお祭りが多いことです。
  有名な三大祭については京都に住む前から勿論知っていましたし,修習のころは修習仲間と見物にも行きました。しかし,三大祭以外のお祭りについてはあまり知らなかったので,これまでにも偶然寺社の近くを通って,お祭りを知るということも少なくありませんでした。京都に住まれていない方は勿論,京都に在住されている方でも,まだ知らない祭りがあるという方は多いのではないでしょうか。
私が最近知ったお祭りはみたらし祭りです。みたらし祭りは,京都家庭裁判所の近く,下鴨神社で執り行われるお祭りで,境内を流れる御手洗川にひざまで浸して穢れを払い,無病息災を祈るお祭りです。驚くことに,御手洗川は,夏のお祭りのころになると,水が湧き出てきて,川になるのだそうです。その川は見た目よりは深く,膝ほどの高さなのですが、猛暑の中でも足が痺れてしまうほどの冷たさです。
  冬には枯れている水が,祭りのころには湧き出てくるとは,なんとも不思議です。私が不思議に思うのは当然で,御手洗川は下鴨神社七不思議の一つだそうです。
祭りを調べてみると,その数の多さに驚きます。毎週のようにどこかの寺社で祭りが行われています。それらの中には,みたらし祭りのように,そのシーズンだからこそ,見られる寺社の姿があるという祭りも多いように思います。
  例えば,9月であれば梨木神社の萩祭りもその一つだと思います。京都三大名水の一つである,染井の井戸が神社の境内の手水舎にあることで有名な梨木神社は,数百株の萩が植わり,萩の名所としても知られています。その萩が見ごろになるころに,萩祭りが開催されます。
寺社へ行かれる方の思いは様々なものがあると思いますが,お祭りをチェックして,それぞれの季節の名所を巡るのもよいのではないでしょうか。

古川  麻里恵(2015年10月26日記)


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