両性の平等に関する委員会

両性の平等に関する委員会は、性による差別などの問題を取り扱っています。

これまでに取り上げた課題としては、
・教科書における男女平等
・夫婦別姓等家族法の問題
・男女雇用機会均等法等女性の労働に関する問題
があります。

最近の活動としては、
・ドメスティック・バイオレンス(DV)の問題
・セクシュアル・ハラスメントの問題(弁護士会におけるセクシュアル・ハラスメント防止規則制定、同相談窓口)
を取り扱っています。以下最近の活動をご紹介致します。

ドメスティック・バイオレンスについて

1 ドメスティック・バイオレンス(DV)について
ドメスティック・バイオレンス(DV)とは、「親密」とされている関係(※)における配偶者、恋人、元配偶者、元恋人などからの「暴力」をいいます。
「暴力」とは、身体的暴力に限らず精神的、性的暴力も含みます(※)
DVは女性から男性へも起こり得ますが、一般的には経済的優位性、社会的優位性により、男性から女性にふるわれる場合がほとんどです。
DVは、見るからに粗暴な人や、アルコール依存症や薬物依存症、あるいは何らかの病気を持ったような特別な人が起こすといった見方がされがちですが、そうではありません。ごく普通に社会生活を送っている人や、外ではとても優しげで信頼の厚いような人であっても起こします。DVは、加害者・被害者の学歴、収入、年齢、社会的地位などに関係なく生じるのです。

(※)DV防止法の対象となる「被害者」は「配偶者」(内縁や関係解消後も含む)と定義されています。しかし、恋人からの暴力もDVの形態の一つであり、最近では、若年の恋人間での暴力、いわゆる「デートDV」が問題となっており、それ自体が問題であるとともに、婚姻後も引き続き暴力がふるわれる被害者予備軍となるケースも多いのです。
(※)保護命令発令要件としての「暴力」は身体的暴力(傷害罪に該当する精神的暴力を含む)に限定されますので注意して下さい。

2 DV防止法、保護命令について
ドメスティック・バイオレンス(DV)の問題は古くから存在しました。しかし、それが人権侵害であり犯罪であると社会的に認識されたのは極めて遅く、我が国では主に1990年代に入ってようやくDVが明確に女性に対する深刻な人権侵害であると主張されはじめました。2001年のDV防止法成立を経て、ようやく社会一般にDV問題が認識されはじめたと言えます。
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)は、2001年制定の後、2004年に改正法が施行されました。
以下は、現行DV防止法の概要を簡単に説明します。
(1)本法におけるDVの定義(前文)
配偶者からの暴力の定義における「暴力」には、「身体的暴力」のみならず、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」、つまり精神的暴力が含まれるとされています。
また、「配偶者」には、元配偶者のほか、事実婚(内縁)も含まれるとさ れています。
本法における「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者(その後関係を解消したが引き続き危害を受けるおそれがある者を含む)とされています。被害者は男女、国籍を問いません。
(2)保護命令手続(10条~20条)
申立人が上述の被害者である場合で、かつ更なる暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きい場合に裁判所が申立により発令します。
発令の種類は、以下のとおりです。
①接近禁止命令(6か月)
A 本人への接近禁止
住居(相手方の生活の本拠を除く)その他の場所におけるつきまとい、付近の徘徊を禁じるものです。
B 子への接近禁止
配偶者等が被害者と同居している幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行なっている等の事情があることから、被害者がそのために配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するために必要があると認められるときは、裁判所は被害者への接近禁止命令と併せて被害者の子への接近禁止命令を発令することができます。
被害者が子を連れていることで、被害者が更なる被害を受けることを防止するためのものです。
子は未成年の子に限られますが、15歳以上になっている場合には子本人の同意が必要です。
②退去命令(2か月)
被害者が転居等に必要な場合であって、裁判所が認めるときは、配偶者の住居からの2か月の退去及び付近の徘徊が禁止されます。
(3)DV防止法改正案
DV防止法は改正され、改正法は平成20年1月11日から施行されます。
以下には、現行法と異なる点を簡単に指摘します。
ア 生命身体に対する脅迫を受けたことを要件とする保護命令
イ 電話等の禁止命令
ウ 親族・関係者に対する接近禁止命令

3 ドメスティック・バイオレンスに関する両性の平等委員会の取り組み
両性の平等に関する委員会では、DV問題について、「女性への暴力に対するネットワーク会議」に参加して各関係機関と連携を図ったり、DV事件受任者紹介制度を作って被害者に弁護士のご紹介をしたり、弁護士や司法修習生向け研修を行なって委員会内外の弁護士のDV受任や理解の向上に努めたり、外部に講師を派遣したりしています。
最近では、希望する司法修習生を対象に、依頼者の了解を得て実際のDV事件に同道してもらう制度を作りました。
委員会では、一般の方はもちろん、弁護士や、これから裁判官・検察官・弁護士になる司法修習生に、少しでもこの問題の理解を深めてもらい、DV問題に取り組んでいってほしいと考えています。
以下は、DV受任者紹介制度についてご紹介します。

DV受任者紹介制度
両性の平等に関する委員会では、DV被害者の方が弁護士に相談・依頼する機会を確保するため、委員会の内外の弁護士によるDV受任者名簿を整備して、被害者の方からの申込に応じて順次弁護士を紹介しています。
実施要領は次のとおりです。
(1)DV被害者の方から下記電話番号にお電話があった場合、あるいは弁護士会宛にDV事案の相談である旨告げてお電話があった場合には、当該紹介制度が利用できます。
その際、弁護士の性別の希望の有無についてはお聞きしています。
それ以外のご希望には添えませんのでご了解下さい。
(2)性別の希望をもとに、名簿に従って弁護士をご紹介します。相談者の方は、紹介した弁護士の事務所に直接お電話をしていただき、相談の時間などを決めることになります。
(3)弁護士の紹介は、各回1名で、2回までとしています。

DV受任者紹介制度電話番号 075-231-2337   

 ※当該制度は、いわゆる弁護士のアクセス障害(被害者の方が弁護士に依頼を断られるなどして弁護士に依頼しにくくなる事態)を防止するために整備した制度です。弁護士を選んでいただくための制度ではありませんので紹介数には制限があります。また、依頼者の方に弁護士への依頼意思がなかったりはっきりしなかったり、あるいは依頼者の方と弁護士との方針が合わない(信頼関係が築けない)場合にまで弁護士が受任をするものではありませんので、ご了解下さい。

セクシュアル・ハラスメント防止について

1 京都弁護士会では、
・セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規則
・セクシュアル・ハラスメントをなくすために会員及び勤務者が認識すべき事項に関する要綱
・セクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談にあたり留意すべき事項に関する要綱
を定めて、セクシュアル・ハラスメントの防止を図っています(以上の規則・要綱は、京都弁護士会館4階会員ロビーの掲示コーナーに備付けていますので、ご自由にお取り下さい)。

京都弁護士会セクシュアル・ハラスメント相談窓口では、「相談員名簿」から相談を担当する相談員を指名して直接連絡をいれていただくシステムになっています。別紙の説明文書(説明文書はこちら)をご参照ください。なお、「相談員名簿」は京都弁護士会館4階・会員ロビーの掲示コーナーに備付けていますので、ご自由におとり下さい。

2 両性の平等に関する委員会は、セクシュアルハラスメント防止に関する会内研修やアンケート調査などを行い、セクシュアルハラスメントが未然に防止され、被害が発生した場合には迅速に対応できるような体制づくりのために活動しています。

アクセス

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〒604-0971
京都市中京区富小路通丸太町下ル

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